旅行マナーを向上に普及教育が必要 日本を手本に
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エジプト・ルクソール神殿の壁に「丁某、参上」と落書きした事件や仏ルーブル美術館の前の池で「足を洗った」事件など、世界各地を訪れる中国人観光客による相次ぐ非文明的行動により、中国人のマナーの悪さや素養の低さに対する世界の関心が高まっている。良識ある中国人は、「同じ中国人として恥ずかしい」という気持ちを強めており、関連部門も頭を痛めている。中国青年報が伝えた。
中国共産党中央精神文明建設指導委員会(中央文明委)が少し前、「中国公民の海外旅行におけるマナー・素養に関する電話会議」を開催した。国家観光局はその後、「中国公民の国内旅行における文明的行動公約」「中国公民の海外旅行における文明的行動指針」「中国公民の海外旅行における行動提案書」など、中国人観光客のマナー遵守の徹底を呼びかける6件の文書を公式サイト上に次々と発表した。国家観光局によると、「マナーを守って旅行する」という条項が旅行約款の附則に盛り込まれる可能性が高いという。これはすなわち、旅行約款の補充事項に「マナー遵守」が記載され、法的効力を有し、マナー違反行為を犯した観光客は法律により罰せられることを意味している。
国家観光局が今回発表した「指針」や「公約」は、実は2006年10月に打ち出されたもので、同年8月には「中国公民旅遊文明素質行動計画(中国公民に対する海外旅行時の マナー改善計画)」がスタートしていた。海外メディアは当時、「中国政府と国民は、旅行中の悪習慣を徹底的に明るみに出し、関連の公約実施に力を入れている。こうした態度は、中国の過去にない自覚と自信を示すものだ」と評価した。
あれから7年経ったが、中国人がマナーを守り旅行をすることなど依然としてあり得ず、中国人のマナーの悪さが暴露されるたびに、世界中からの非難の声が集中している。今年に入り、中国人の国内・海外旅行における非文明的な行動に関する報道が相次いでいる。たとえば、オランダに向かう航空機のファーストクラスに搭乗した6人の中国人乗客は、安全ベルトを締めず、機長や客室乗務員と口論になった。小さな子が機内の通路で用便をするのを黙認している中国人の親。搭乗口のドアをたたき壊す、あるいは緊急ドアを勝手に開ける中国人乗客。さらには、海外の街でゴミを投げ捨てる、博物館で撮影禁止であろうと所構わず写真を撮りまくる、レストランで大騒ぎする、ジーンズとTシャツ姿でクラシックコンサートの会場に入る、厳かな教会で大きな声で話すなど、海外のあちこちで見られる中国人観光客のマナー違反行為は、枚挙にいとまがない。一部の国や地方では、中国人観光客は「歩く財布」と呼ばれ、彼らの非文明的行為がダイレクトに非難されている。
国家観光局の統計データによると、2005年、海外を訪れる中国人観光客数は延べ3100万人に達し、アジアの首位に立った。世界観光機関(WTO)の予測では、中国は2020年までに、世界トップの観光客受入国および世界第4位の顧客源国となる見通しだ。
しかし、海外観光客として、中国人は「ブラック・リスト」の常連となっている。パリやワシントンでは中国人観光客向けに、「静かにしましょう」「痰を吐かないで下さい」「(トイレで)使用後は水を流して下さい」などと中国で書かれた、思わず赤面するような注意書きの立て札が掲げられている。一部の国では「中国人団体の受入お断り」とする施設や、中国人団体客を隔離しているレストランもある。また、規則違反をして動植物製品を携帯することが多い中国人乗客は、入国審査でスーツケースを開けるよう求められる確率が、他の国の乗客よりずっと高い。喫煙して絨毯を汚すことが多いため、中国人観光客を受け入れない中級ホテルもある。
旅行中にこのような非文明的行為が発生するのは、一体誰のせいだろうか?ネット上には、その原因として、「両親のしつけが行き届いていない」「中国人全体の素養が低い」「マナー教育がなっていない」といった指摘が多く見られる。国民のマナーのレベルは、経済発展レベルに応じて高くなる。しかし、中国経済はこの20年間で急激な進展を遂げたが、文明度はそれに全く追いついていない。これはかなり極端な例だが、ある中国人女性がくわえタバコで有名ブランド店に入った。店員が、「お客様、ここは喫煙です」と注意したが、その女性は、「ここで鞄を6個買うので、吸っても構わないでしょ?灰皿をすぐに持って来て頂戴」と答えたという。