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旅行マナーを向上に普及教育が必要 日本を手本に (2)

 在仏中国大使館の呉建民・前大使は取材に対し、「国家は次第に豊かになってきているが、何をやっても許されると思うのは大間違いだ。中国には『郷に入っては郷に従え』という言い伝えがある。まさしくその通りだ」と指摘。さらに「中国人は世界に向かっている。誰であろうと、海外に出て行く中国人は、現地の人々にとっては中国人以外の何者でもない。中国人はマナーを知らないというイメージを変えるためには、教育から中国人を変えていく必要がある」と述べた。

 4年間のドイツ留学から帰国した「海外帰国組」の魏氏は、「19世紀末から20世紀初めにかけて、欧州見物に大挙して出かけた米国人観光客や1980年代にカメラを首からぶらさげて至る所で写真を撮っていた日本人観光客のように、今の中国人観光客の『俺様は金を持っている。その金を見せびらかして何が悪い』というような振る舞いは、マナーある旅行の価値観とは当然相容れず、世界中に『素養が低い』という印象を残してしまう」との見方を示した。魏氏はさらに、「このような初歩的な段階で中国人の素養の低さを責めるのは、決して理性的とはいえない。どの国にもマナーの悪い個人は存在している。今大事なことは、単に批判することではなく、社会の力を動員して、いかにマナーに対する共通認識の確立を推し進めるかという問題だ」と続けた。

 今年10月に施行される「旅行法」第13条では、「旅行者は旅行中、公共の秩序と社会道徳を順守し、現地の風俗習慣、文化、伝統、宗教を尊重し、観光資源を愛護し、生態環境を保護し、旅行における文明的な行為規範を守らなければならない」と定められており、法的措置を通じてマナーある旅行を国民に提唱・推進し、法律によってその実現を確かなものにしようとしている。しかし、社会の文明度を高め、その高さを保つことは、苦労を伴うきわめて長いプロセスを必要とする。1960年代、世界での日本人観光客の評判は大変悪かった。日本政府は、「日本国民のための海外旅行マナーガイドブック」を漫画で発行し、「スリッパのままでホテル客室の外に出ない」「女性は、スカート着用時にしゃがまない」などの注意事項を国民に伝えた。数十年におよぶ普及教育が実を結び、今では、世界での日本人観光客のイメージは大いに高まった。

 メディア業界で長年の経験を持つ高小立氏は、「国内でのマナーが悪い人が、海外に出るといきなりマナーを守れることなどあり得ない」と指摘する。昨年の国慶節・中秋節連休中、メディア大手各社はこぞって、「海南省三亜市では中秋節連休後、3キロにおよぶ白浜に50トンのゴミが巻き散らかされた」「北京天安門広場周辺では、建国記念日の1日だけで、約8トンのゴミが残された」「各地の高速道路の渋滞はかなり深刻で、人々が車の窓から投げるゴミが空中に舞った」などと報道した。「旅行マナーの育成・向上は、社会の全体的価値観が共通して目指すものであり、マナーを守る旅行が当たり前になるには、人々の意識的な行動を変えていかなければならない」と高氏は語った。

 深セン社会・観察研究所の劉開明・所長は、「一国家の政府が率先して普遍的価値観にもとづき基本ルールに従うことなしに、国民全体の素質の真の向上はあり得ない。一部メディアがどんなに声高らかに呼びかけても、中国人の素養を高めることは不可能だ。今の学校教育では、小学校から高等学校まで、子供達はテスト漬けの毎日に追われており、社会の道徳や文明ルールを守る大切さはほとんど教わっておらず、知恵を含む人間性の成長はなおざりにされている。中国に欠けているのは、もはやハイテクではなく、基本的な文明・マナーである」との見方を示した。(編集KM)
 
 「人民網日本語版」2013年8月19日

【関連企画】海外旅行 国民一人ひとりがイメージ大使

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