中国の富豪の数、増加率が5年来で最低
中国の富豪の数、増加率が5年来で最低 |
胡潤(ルパート・フーゲワーフ)研究院とシンクタンクの「群邑(GroupM)」は15日、共同で「2013胡潤資産報告」を発表した。それによると、2012年年末の時点で、富豪の増加率は2年連続でペースダウンし、5年来で最低となったほか、現在中国全土に10億元(約160億円)以上の資産を持つ富豪が8100人、100億元(約1600億円)以上の資産を持つ富豪が280人いることが明らかになった。羊城晩報が報じた。
同統計は、香港や澳門(マカオ)、台湾の特別行政地区を除いた、中国全土の31の省、市、自治区のデータを基にしている。
資産1億6000万円以上の富豪105万人
同報告によると、中国本土で「千万富豪」と呼ばれる資産1000万元(約1億6000万円)以上の富豪は105万人、「億万富豪」と呼ばれる資産1億元(約16億円)以上の富豪は6万4500人で、前年比でそれぞれ3%と2%増加した。同2グループの増加率は2年連続でペースダウンし、5年来で最低となった。中国全土の国民1300人に1人が「千万富豪」、2万人に1人が「億万富豪」という計算になる。うち、10億元以上の資産を持つ富豪が8100人、100億元以上の資産を持つ富豪が280人いる。
報告によると、中国の千万富豪は主に、▽企業経営者▽投資家▽不動産投機者▽ビジネスエリート---の4種類に分類できる。うち、投資家が占める割合は前年比で5%減少したのに対し、ビジネスエリートの割合は5%増加した。一方、億万富豪は、▽企業経営者▽投資家▽不動産投機者---の3種類に分類できるという。政府の不動産投資規制が実施されているものの、富豪の投資先で最も多いのは依然として「不動産」で、全体の64%を占めた。ただ、富豪は現在、別の投資先を積極的に探しているという。
一方、調査対象となった富豪の平均資産は5900万元(約9億4000万円)で、年間平均消費額は資産の約3%だった。その主な用途は旅行で、約3割を占めている。そして、富豪らは、独特の旅行体験を追求しており、アフリカや極地など、普通とは少し違う旅行先が人気になっている。また、子供に海外で教育を受けさせるという風潮も強く、海外の不動産を購入する富豪が明らかに増加している。うち、最も人気があるのは米国の不動産だ。
富豪の数トップ3は北京、広東省、上海
地域別に見ると、富豪が最も多いのは北京で、「千万富豪」は前年より5000人増えて18万4000人に達した。また、「億万富豪」も前年比200人増で、1万700人となった。2位は広東省で、「千万富豪」が17万2千人、「億万富豪」が9600人だった。3位は上海で、「千万富豪」が14万7千人、「億万富豪」が8500人だった。そのほか、富豪の6割が、浙江省の杭州市や寧波市、広東省の仏山市など、非一線都市で生活し、同3都市の富豪の数は共に2万人以上だった。さらに、中国全土の富豪の数は、全体的に見ると増加傾向にあるものの、一部の地域の富豪の数は減少しており、減少率が最も高かったのは浙江省と内蒙古(モンゴル)自治区だった。一方、富豪の増加率が最も高かったのは天津だった。
富豪が最もほしいのは「健康」
注目すべきは、今後2年の中国経済に対して非常に楽観的な見方を持っている富豪は25%で、昨年に比べて3ポイント減少、2年前と比べると半分に減少した点だ。一方、まずまず楽観的な見方を持っている富豪は、昨年に比べて2ポイント増の66%だった。また、悲観的な富豪は9%と、昨年に比べて2ポイント増で、ここ3年で最多だった。
では、巨額の財産を築いている富豪達が最も必要としているものは、一般人と異なるのだろうか?そうではないようだ。同調査によると、愛、時間、他人から認められること、勉強の機会、物質的必要などよりも、富豪が最も必要とし、心配しているのは「健康」だ。4分の1以上が自分の健康状態に満足しておらず、3分の1以上が自分は運動不足だと感じているという。また、女性や若い富豪が最も気にしているのは、「プロポーション」だ。そのほか、富豪の3割が仕事が忙しすぎると感じ、若い富豪は特にそれを強く感じている。そして、富豪の女性の2割が睡眠の問題を抱えている。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年8月16日