COCを利用して中国を陥れようと企んではならない
中国とASEAN諸国は14、15両日に中国・蘇州で「南中国海における関係国の行動宣言(DOC)」の実行に向けた第6回高官会議を行った。これまでの会議と異なるのは、DOCの全面的で実効性ある実行、海上協力の強化などについて意見交換するだけでなく、DOCの枠組みで「南中国海における行動規範(COC)」について初の協議を行ったことだ。(文:王羽・国際問題専門家。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
今回の会議がCOCの制定にとって持つ積極的な意義は、中国とASEAN諸国がさらに踏み込んだ意思疎通を行い、次の段階の行動に向けて準備を行うことにあった。だがASEANのごく一部の国々は協議に過度の期待を抱き、ブレークスルー的な進展を遂げて、COC制定における全ての問題と障害を1回で解決し、さらにはCOCを「てきぱきと」締結することまで望んだ。
現実にそぐわない期待の背後には、人には言えない目的がある。
その一、ごく一部の国々はCOCの助けを借りて中国を束縛することを望んでいる。COCは中国とASEANの調印したDOCによって設定されたハイレベルの目標だ。DOCはCOCの制定は「地域の平和と安定の一層の促進」が目的と明記している。フィリピンに代表されるごく一部の国々はこの前提を故意に無視している。こうした国々は自らの力では中国にかなわず、中国との力比べで不利な境地に陥ることを懸念している。このため、COCが法的拘束力を持つことを利用して、中国が法執行部隊または軍事力を正当な方法で使用して主権と権益を守ることを制限する内容をCOCに盛り込むことで、中国の島嶼を力づくで占領し、中国の主権と権益を奪取したことによる自らの私利を守ることを望んでいるのだ。