9月と中日関係:日本の「釣魚島購入」1周年にあたり
「週刊!深読み『ニッポン』」第50回「週刊!深読み『ニッポン』」
歴史は常に9月を中日関係に転換が生じる重要な月にしてきた。(文:日本企業(中国)研究院 陳言)
1931年9月18日、日本は瀋陽で中国全面侵入の火ぶたを切った(9・18事変=満州事変)。その後続いたのは15年間の対中侵略戦争であり、1945年9月3日(抗日戦争勝利日)の中国侵略日本軍の降伏にいたって、数千万人の中国人が命を失ったこの戦争はようやく終結した。その後は長い中日対立が続き、1972年9月29日の国交正常化によって、ようやく戦争状態が終結。中日は平和を迎え、東アジアは世界経済の発展の中心となる基礎を得た。
歴史的観点から見て、2012年9月11日の日本の民主党内閣による釣魚島(日本名・尖閣諸島)「国有化」は、中日関係史に新たな転換をもたらす重要な行動だった。釣魚島は台湾や東北部と同様、日本が盗み取った中国の領土であり、両国間には過去長い間領土紛争が存在してきたと中国メディアは考えている。だが日本は完全に歴史を否認し、「棚上げ」方式による領土問題の解決を決して認めない。中日関係は日本が釣魚島を「国有化」したことで、大幅な後退の段階に入った。これが短期間で顕著に回復することは考えがたい。中日双方の専門家はいずれも、釣魚島をめぐる争いは中日関係の喉深く刺さる魚の骨となっており、抜くことも呑み下すこともできず、大変不快なうえ、うまく扱わねば体を損なうと考えている。
過去1年間に日本の政界は釣魚島問題を煽ることで、国民の意識を統一し、軍事力を強化したのであり、中国との対立姿勢は非常に鮮明であることに、われわれは目を向けるべきだ。
釣魚島の帰属問題において、日本の政府は宣伝を繰り返し、メディアも緊密に歩調を合わせて、日本国民の見解を統一させた。つまり釣魚島は日本のものであり、中日が関係正常化以来堅持し続けてきた「棚上げ」政策は存在しないというのである。ほぼ全ての政治家が、釣魚島は日本に属するとの姿勢を表明している。選挙戦中、保守政治家はなおさらに釣魚島問題を利用して自らの「愛国ぶり」と「勇猛さ」を誇示する。国民国家において領土問題は重要だ。国民国家の国民は通常、自国政府の領土観を支持することで、他の国民との同一性を明らかにする。選挙戦中の政治家は、領土問題を利用して支持を訴え、往々にして当選という目的を達成する。多くの政治家がいずれもこの問題を利用して自らの「愛国ぶり」と「愛民ぶり」を誇示する中、主張が激しく、露出率が高い候補者ほど、当選の可能性が大きくなる。過去1年間、安倍晋三ら日本の政治家は党内選挙や国会選挙で領土カードを頻繁に利用してきた。これによって日本と周辺国との領土問題は一層複雑化し、処理も一層困難になった。