人民日報:日本人から見た「中国人観光客」
最近、中国人観光客の旅行マナーに関する報道が広く注目を集めている。海外旅行に出た時、中国人観光客は現地の習慣・ルールや秩序、規定などをしっかりと守れているのだろうか。中国人観光客のどのような行為が反感を買いやすいのか。全体的な素養は、以前と比べどのような変化があるだろうか。
日本の一般市民や観光業関係者に取材をしてみた。調査でわかったのは、中国人観光客全体の素養はやや良くなっており、「郷に入れば郷に従え」を理解し、現地の人から歓迎されていることだった。だが、一部少数の中国人観光客がやかましかったり、ルールを無視したりして、嫌がられていることも明らかになった。
好評ポイント
● 日本で塾講師をしている武富波路さんは、中国人観光客は親切で親しみ深いところは奨励に値するという。中国人観光客の素養は良くなっており、最近では大勢の観光客がレジの前できちんと並んで精算しているところを見たという。
●北海道で現地の旅行会社に勤めて4年目、東アジア、東南アジアからの受け入れを担当している任京偉によると、落書きをしたり、名所旧跡をわざと壊したり、場所を構わず痰を吐いたり、ゴミをポイ捨てする、トイレで水を流さないなどの状況は以前に比べ殆ど見られなくなった。公共交通機関を使っての移動時に先を争って乗り込むという状況もかなり改善されたという。
不評ポイント
● 北海道では、これまで中国人観光客のマナーが悪く、現地の習慣・ルールを守らないことから、一部の温泉旅館が中国人観光客の受け入れ拒否の声明を出すに至っている。日本旅行業協会の国内、来日旅行推進部長の興津泰則さんは取材に答え、このような状況に陥った主な原因は、一部の観光客が部屋の常備品を持ち帰ったり、温泉の中で大声を出して騒いだり、喫煙したりしたことにあると言う。
● 武富波路さんは取材に対し、日本に来る中国人観光客の大部分は団体客というイメージがある。日本人から見ると中国人観光客は日本ではマナー違反とされている行為、主に公共の場所で大声を出して騒がしいと思われているという。
彼は、上記のようなマナー違反がある理由は、他国の習慣・ルールを理解していないことによると考えている。外国人もあまり中国人の習慣・ルールをしらない。中国人観光客は現地の法規を守るようにする必要があるだろうという。
● 任京偉さんは仕事をしていて最も印象深かったのは、2010年7月に受け入れた中国のある有名大学のMBA視察団だったという。
この団体は北海道で富良野の満開のラベンダーや美英町で花が咲き乱れている美しい風景を観光した。観光前に、ほとんどの観光地は私有地なので勝手に入っていってはいけないと注意していたが、午後、会社に現地の農場主から電話で抗議が来た。中国人観光客が畑に入って写真をとり、農作物が踏み荒らされたというのだ。
ツアーの企画者は中国のある有名大学の教授2人だった。会社が後ほどガイドに事情を尋ねた所、当時、客を連れて畑に入っていこうとしてガイドに阻止された教授は「あなたは農場主に私達は外国人だからわからないと言いなさい」といったという。
● 任京偉さんは、もうひとつ印象深い話をしてくれた。空港で中国からの団体客を迎えに行ったときのことだ。引率者は客の行為の手本にならなければならないのに、この団体の引率者はこのあとの行程で人々を失望させるばかりだった。
約束の集合時間に観光客は時間通りに来ていたが、引率者はちょくちょく遅刻、温泉旅館では、事前に日本の伝統や習慣を説明しているのに、引率者は禁煙室で喫煙し、客と一緒にドアを開けたまま麻雀、あまりのうるささに同じ階の日本人客から苦情が殺到したという。(編集EW)
「人民網日本語版」2013年9月10日