夏休みにプチ整形する学生が急増 中国
7月、中国は卒業シーズンを迎え、まもなく過酷な社会生活が始まるという大卒生も多い。一方、夏休み期間の今、美容外科のキャンペーン広告が増加している。ある病院を取材したところ、近年、就職難が深刻化するに伴い、就職活動を有利に進めるために、冬休みや夏休みを利用して顔や体型を整形する大卒生や在校生が増えていることが分かった。ただ、多くの保護者はこうした傾向に反対の意を示しているほか、専門家も学生は早まって整形するべきではないと建議している。中国新聞網が報じた。
夏休みが美容外科の書き入れ時に
インターネットで検索したところ、夏休み期間中、学生を対象とした整形サービスを実施している美容外科の情報が2千万件以上あった。ある美容外科の職員によると、夏休み期間中は美容整形に関する学生からの問い合わせが増加する時期で、主に▽6月の「全国大学統一入試」(通称、高考)を受けたばかりの高卒生▽大卒生?の2グループに分けられるという。この2グループはいずれも、まもなく新しい環境に足を踏み入れるため、整形しても周囲に気付かれることが少ないほか、新しく出会う人に良い第一印象を残すことができる。また、良い仕事に就いたり、恋人を見つけたいというのも理由に含まれる。中でも、それほど大きな変化はなく、値段も安いプチ整形が、大卒生に最も人気だ。例えば、二重まぶた整形、隆鼻(鼻を高くする)、脂肪吸引、ニキビ改善、脱毛などだ。
整形を受ける人の8割が女性で、男性よりもはるかに多い。
多くの保護者が理解示す
昔なら「整形」というと、多くの人が「リスクが伴う」と考え、保護者もそう簡単には許可してくれなかったが、現在は多くの保護者が理解を示しており、応援してくれる保護者もいる。
最近では、大卒生が保護者と共に、整形に関する相談のため美容外科を訪れるケースも多いという。保護者らは、競争が厳しい今の世の中、外見を良くし、気質を高く見せるのは、一種の「無形資産」になると考えているようだ。
河南省鄭州市のある美容整形外科の調査によると、大卒生が二重まぶたにしたり鼻を高くしたり、あごを整えたりする整形手術を受けることに対して、「絶対支持する」と答えた保護者がここ2年、60%を占めているほか、良く考えて子供の整形に同意したという保護者も20%に達した。
美容整形機構で働く職員の一人は取材に対して、「経済的に問題がなければ、今時の親は子供の美しい外見に対する欲求を満たそうとする。子供の将来のため自ら積極的に子供に整形手術を受けさせる保護者もいるほど」と指摘した。
若すぎる整形は危険
整形手術を受ける学生が増加していることに対して、多くの専門家は、「人体の発育は18-20歳まで続く。もし、あまりに早く整形手術を受けると、手術した部分が発育の過程で変形してしまう可能性がある」と懸念を示す。そのため、専門家は通常、整形手術を受けるなら満18歳になるまで待つように勧める。またある専門家は、「人体のうち目、耳、鼻、口、身の発育は普通、14-15歳に形が定まるが、顔の輪郭の整形や脂肪の吸引、バストアップといった大きな整形手術の場合、20歳以前に受けるのは適さない。さらに、美容外科は慎重に選ばなければならず、安いからと言って違法な経営をしている小さな病院を盲目的に選んではいけない。美容整形も医療行為の一種で、安全とクオリティが最低条件だ」と語る。
また、「外見がどんなに美しくても、心の美しさが伴っていない『美』は偽りの『美』で、若者が過度に『美』を追求すると、極端な性格になってしまう可能性がある」と警告する専門家もいる。そして、「『美』を追求することを一旦脇に置き、大学を卒業して仕事を始め、自分でお金を稼ぎ、ある程度の経験を積んでから、『整形手術』という手段を通して、『美』を求めるかを再考してもおそくない」と若者に勧めている。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年7月9日