アシアナ事故機、半数が中国人客 中国航空業の力不足露呈
米サンフランシスコ国際空港で着陸に失敗したアシアナ航空機の乗客は約半数が中国人だったことがこのほど議論を呼んでいる。世界の航空会社間で競争が激化する中、日韓両国の航空会社は低価格で顧客を獲得しており、アシアナ航空の中国経由・米国行き便は直行便より約50%も安い。中国民航管理幹部学院の鄒建軍教授は、中国国内の航空会社と空港の競争力が不足しており、ソウル、東京、シンガポールなどの空港を拠点とする航空会社に30-40%の海外旅行者を奪われている、と指摘する。広州日報が伝えた。
■経由便、低価格で顧客獲得 直行便の半額
中国民航大学航空経済研究所の李暁津・所長によると、中国-米国線は世界で最も黒字の路線とされており、利益額は米国の国内線3本の合計に相当するという。
鄒教授は、中国から出国する海外旅行者9300万人余りのうち、中国の航空会社を利用する割合はわずか60%前後で、残りの30-40%はソウル、東京、シンガポールなどの空港を拠点とする航空会社に奪われている、と指摘する。
航空会社を選択する上で価格は最も重要な要素の一つだ。中国-米国線では、中国国内の3大航空会社のほか、欧米、中東、日韓など世界の航空大手がしのぎを削っている。8月30日の上海発サンフランシスコ行きを例に取ると、国内の航空会社で直行便を運航しているのは、中国東方航空、中国国際航空、米ユナイテッド航空などわずかで、価格は6100-7500元(約10万-12万3000円)。一方、経由便の価格は、アシアナ航空3432元(約5万6000円)、全日空5300元(約8万7000円)など、3000-6000元(約4万9000-9万8000円)の低価格帯が多い。アシアナ航空の中国経由・米国行き便は直行便より最高約50%も安い。
中国の調査会社「中投顧問」の蔡建明・研究員は「全体的に見れば、価格の安さや便数の多さ、さらに30日間のノービザ滞在許可により、中国の旅行者が大量にアシアナ航空に流れている」と分析する。