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北京大卒業生、豚肉販売で北京進出 海外帰国組も

 今から10年前、「北京大学出身者が西安で豚肉を売っている」との報道が世間を賑わわせ、北京大を卒業した陸歩軒という男性が全国的な有名人となった。陸氏と、数年後にやはり「北京大学卒の豚肉販売人」として身を立てた陳生氏が19日、高級豚肉ブランド「壹号土猪」売り場12カ所を北京にオープンした。陳氏は、「これまで北京に進出していなかったのは、豚肉の品質レベルが北京大のレベルに追い付いていなかったからだ」と語った。北京日報が伝えた。

 陸歩軒氏は1989年、北京大学中国語学部を卒業した後、さまざまな職業を転々とした。2003年、「眼鏡をかけた豚肉屋の社長」として全国に名を馳せた。陳生氏は、北京大学政治経済学科を卒業して勤めた政府関連機関を辞職後、露店商、野菜作り、不動産業、豚肉販売などさまざまな仕事を経験した。2009年、2人の「北京大卒豚肉販売人」が手を組んだ。

 19日の早朝、新街口北大街物美スーパーの正面入り口には、重さ約125キロの活きた豚が入っている鉄製の檻が置かれ、道行く人々が野次馬見物に集まった。これが、陸氏らが飼育した「壹号土猪」の豚だ。北京大学出身のエリートが豚肉販売の仕事に就くことは尋常ではない。彼らは、「クイズに正解すれば、豚肉を無料でプレゼント!」というキャンペーンを打ち出して買物客の関心を引いた。クイズの問題は全て、彼らが育てた「壹号土猪」にまつわる知識で、買物客の注目を集めると同時に、豚肉を次々と売りさばいた。

 1時間も経たないうちに、スーパー地下2階の「壹号土猪」売り場は、買物客でごった返した。陸氏は、仕事着姿で自ら率先して接客・販売した。ひとりの中年女性が、「豚肉100グラムちょうだい!」と言うと、陸氏は慣れた手つきで、研がれた包丁で豚肉を切った。秤に乗せると、ジャスト100グラムだった。

 普通の豚肉売りとは違い、北京大卒業生の売り方は極めてち密だ。陳氏と陸氏の豚肉売り場では、バラ肉やモモ肉など30種類以上の豚肉を販売しており、豚足も、前足と後ろ足を別々に売っている。だが、価格も安いとはいえない。最も高価なスペアリブの部分は、500グラム49.8元(約800円)と、相場の約2倍する。陸氏はこれについて、「我々の豚は、広東から輸送している。また、一般的な飼育期間の2倍の11カ月をかけて育てている。エサは天然飼料のみで、大変美味しく、かつ安全だ」とコメントした。

 北京では、彼ら2人の後を追い、豚肉販売で一旗揚げようとしている若者が100人以上いる。その多くは短大もしくは大学学部を卒業しており、海外帰国組も相当いる。全員、陳氏と陸氏が設立した食肉処理業者の育成学校「庖丁学堂」で学んだ。両氏は豚肉販売業のノウハウを伝えるため、「庖丁学堂」を北京でも開校することを計画している。ここでは、豚肉のさばき方、販売、管理に関する知識だけではなく、「販売する時の笑顔」「豚肉を売ると同時に、他の製品もお客に薦め、『香ばしくて身体に良い壹号土猪をぜひどうぞ!』と連呼する」などの営業のコツも伝授する。

 2人は、年内に北京の売り場を30カ所まで増やし、長期的には400カ所を目指している。陸氏は、「これまでの常識から言えば、北京大学出身者がこの業界に入るなど考えられなかった。だが、我々は新たな角度から試みを繰り返してきた。目まぐるしく変化している今の時代は、職業観も変わっていくべきだ」との見方を示した。

 19日、新街口北大街物美スーパーの店内では、「北京大出身の豚肉販売人」の陸氏と陳氏が、自ら接客し、「壹号土猪」を売りさばいていた。(編集KM)

 「人民網日本語版」2013年10月21日

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