結婚適齢期に突入した90年代生まれ 増える「電撃結婚・電撃離婚」
ネットユーザーの「水木天」さんは、微博(ウェイボー・ミニブログ)で、「1990年代生まれの会社の後輩が結婚することになった。1980年代生まれの私たち『お局』にとって、耐え難い衝撃!」と嘆きをぶちまけた。1990年代生まれは、2010年に「結婚可能年齢」に達し、今年は晩婚族(男性25歳以上、女性23歳以上)の仲間入りをした人もいる。1990年代生まれの結婚ラッシュが始まったが、その中には、「電撃結婚・電撃離婚」の筋書きを辿る人もいる。浙江在線が伝えた。
浙江省舟山市定海区民政局結婚登録所の窓口によると、2010年1月1日から現在までの間に、同民政局で結婚登録を行った1990年代生まれの人は計1762人、内訳は男性266人、女性1496人。統計データによると、1990年代生まれで結婚した経験のある人は、女性が男性より5.6倍多い。また、1990年代生まれの既婚者の数も、女性が男性より数倍多い。例えば、22歳の既婚男性は70人、既婚女性は367人。23歳の場合、既婚男性は196人、既婚女性は848人。
国際心理カウンセラー2級の資格を持ち、浙江海洋学院で心理学を教える汪暁陽氏は、このような状況について、次の通り語った。
映画やテレビなどの主流メディアが発信する情報は、「行き遅れ女性」をめぐる憂慮を社会全体に誘発し、1990年代生まれ女性の恋愛・結婚観にも少なからぬ影響を及ぼした。彼女らの多くが、「若い時に結婚した方が、将来的に安定した生活が保障される」と考えている。
まず結婚して身を固め、そのあとキャリアの成功を目指すという従来の結婚観は、人々の責任感を強化するのに一役買っており、家庭という基盤は、キャリアの成功を達成する上での支えとなる。だが、現実の社会では、さまざまな困難が立ちはだかっている。米国の心理学者アブラハム・マズローは、人間の欲求について、「生理的欲求」「安全の欲求」「帰属の欲求」「自我の欲求」「自己実現の欲求」という5段階の階層で説明した。これは、人は低次の欲求が満たされると、順々により高次の欲求を求めるようになるという説だ。
昔は、「生理的欲求」と「安全の欲求」を満たすための条件がかなり低かったことから、これらの欲求を満たすことは比較的簡単だった。翻って現代は、生活するために必要なコストが上昇するにつれ、「生理的欲求」と「安全の欲求」に対する満足が得られにくくなり、結婚においても不安定な要素が増えている。
定海区民政局結婚登録所の窓口によると、2010年1月1日から現在までの間に、同民政局で離婚の手続きを行った人は計4065人。このうち20歳から25歳の若い人は263人で、離婚者全体の6.5%を占めた。263人の内訳は、男性48人、女性215人。
1990年代生まれに「電撃結婚・電撃離婚」が多いという状況に、人々は驚きの色を隠せない。当人たちの多くは、「愛情のスピード消費の結果」と結論づけている。
1990年代生まれの多くは一人っ子で、平平凡凡な生活には「満足」できず、「他人と歩み寄る」ことを好まない。日常生活の些細なことが原因で「結婚が破綻する」人が増えている。1990年生まれの陳さんは、2カ月あまりの交際を経てある男性と結婚したが、今夏離婚した。だが、同じ月に復縁した。さらに驚くことに、復縁から2カ月も経たないうちに、2人は2度目の離婚をした。ゲームにかまけて家事をしない夫に、妻が我慢できなかったことが、2度の結婚・離婚を繰り返した主な原因だった。
身近にも、1990年代生まれの「電撃結婚・電撃離婚」の例は少なくない。実のところ、このような現象は、両親の教育方針とも深い関係がある。今の親は、子供が他の子供より遅れを取ることを心配し、子供を勉強に縛り付け、異性との交際を一切認めないケースが多い。愛情を育むのにも練習が必要であり、子供は異性との付き合い方を知らずに大人になり、衝動的に結婚してしまう。当然、新婚夫婦には問題が生じるが、問題解決能力のない2人にとって、先にあるのは離婚という選択だけだ。
結婚の公式は、「1+1=2」ではなく、「0.5+0.5=1」だ。結婚生活を続けるためには、愛情以外に、相手を受け入れる懐の大きさを持たなければならない。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年10月23日