宅配便の「セルフピックアップ」試行開始 南京
専用ロッカーに宅配荷物を入れる実演をする管理担当者 |
「オンラインショップで買物をして、商品が配達された時に、家人が全員留守にしている場合は、宅配ドライバーが団地の管理業者や門衛のスペースに荷物を置いて帰る。仕事を終えて帰宅した受取人が、荷物の山の中から自分の荷物を探して持ち帰るが、荷物の取り間違いがしばしば発生する」--。このような経験をした人は少なくないだろう。南京御水湾団地でこのほど、「宅配便セルフピックアップシステム」の試行が始まった。荷物が届くと、受取人の携帯電話にショートメッセージが発信され、荷物を受け取る時に、携帯電話番号と荷物受取確認コードを入力するだけで、自分宛ての宅配便を確実に受け取ることができる。揚子晩報が伝えた。
○宅配担当者が荷物を鍵のかかる棚に配達、ショートメッセージで荷物到着を通知
御水湾団地の管理人室の中は、3面の壁に黄色い棚が備え付けられている。棚の高さは、大人の背の高さより少し高く、4種類のサイズのロッカーが置かれている。棚のひとつの真ん中には、スクリーンがある。団地の管理業者の係員は、荷物の配達と受取について、以下のとおり説明した。
届けられた宅配荷物はすべて、「クラウド・カウンター」と呼ばれる鍵つきのロッカーに入れられる。受取人は、荷物をピックアップする際に、自分の携帯電話で受け取ったショートメッセージ通りに、荷物受取確認コードと携帯電話番号を入力すれば、ロッカーの鍵が開き、荷物を持ち帰ることができる。スピーディかつ安全な方法だ。インテリジェント・スクリーンには、宅配業者名、受取人の携帯電話番号、配送状態など各種情報を含む一覧リストが表示されており、小型キーボードに暗証番号を入力すれば、操作可能な状態になる。宅配担当者は、荷物を配送先まで届けても、受取人に直接手渡すことができない場合が多い。担当者は、クラウド・カウンターの端末を操作し、バーコードスキャナで荷物をスキャンして荷物番号情報を登録し、荷物をクラウド・カウンターのロッカーに入れる。これらの作業が終わると、クラウド・カウンター・システムが自動的に受取人の携帯にショートメッセージを発信する。受取人は、携帯ショートメッセージで受け取った確認コードを入力して荷物を受け取る。このシステムによって、荷物の紛失や取り間違いといったトラブルはほぼ解決される。宅配担当者も喜んで利用しているという。
○超大型荷物・貴重品は例外
係員は、「今のところ、クラウド・カウンターは連日、ほぼ満杯の状態で、足りない時もある。また、超大型荷物はこのカウンターで預かることができない」と、部屋の地べたに山積みされている荷物を指差しながら話した。このほか高額商品や貴重品を購入した場合も、正式な受取の署名が必要なことから、このシステムは役に立たない。従来通り、宅配担当者と電話連絡を取り、受取書にサインをして直接荷物を受け取らなければならない。この団地では、1カ月少し前に新システムによるセルフ・ピックアップの試行が始まったが、特に若い人々から歓迎されているという。
不動産管理企業の担当者は、次のように話した。
このようなシステムを備えるには、3万元から4万元(約48万円から65万円)のコストがかかる。設置後の維持費は、無線インターネット費用と電気代くらいで、少額で済む。運用後、荷物を受け取る住民には使用料は一切かからないが、宅配業者は、1件につき1角(約1.6円)のショートメッセージ発信料を負担しなければならない。御水湾団地の場合、試行ということで、設計会社が無料で設備を設置してくれた。この設計会社は将来、南京の大学、オフィスビル、団地など各施設に、このような設備を普及させようと計画している。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年11月5日