中国の宇宙事業、390億元の投資で4000億元の収益が可能に (3)
中国宇宙産業から派生する産業チェーンが1200億元規模に
宋氏は、「軍用製品を民用市場に普及させれば、より大きなビジネスチャンスと、関連産業への推進力が生まれる」と指摘した。
人民日報はこのほど、中国航天科技集団公司の馬興瑞総経理の発言を引用し、「宇宙技術は技術の金鉱とも呼ばれており、技術および経済成長に対するけん引力は、我々の想像をはるかに上回る。例えば1基の衛星を打ち上げることで、衛星の開発や発射技術に価値がもたらされるだけでなく、運行サービスや地上でのメンテナンスサービスにも価値が生まれる。このチェーンによってもたらされる価値は侮れない」と報じた。
一部の統計データによると、中国宇宙産業により派生する産業チェーンは、すでに1200億元(約1兆9200億円)の規模に達している。衛星だけでも、衛星放送・テレビ教育により、中国の数千万人がこの「宇宙学校」を利用し教育を受けることができ、数百億元の資源が節約できる。また鉱物・地質・鉄道・橋梁などの部門は資源衛星を利用し調査を実施でき、これにより大幅な資源節約と収益増が見込める。
中国の軍需産業と宇宙事業などのハイテク技術は、持続可能な発展を実現しなければならず、大規模な資金・技術などの支援を必要としているため、民用業界からも収益と支援を得なければならない。業界関係者は、「この点については時期が熟した状況下、現在のこれらのハイテク技術を民用市場に普及させ、技術により資金や参考データなどを手にすることができる。また各条件が満たされた場合、民間の資本を導入することも可能だ」と語った。
ある研究データによると、米軍の研究プロジェクトの6割以上が、民用分野に直接使用されている。例えば国際ネットワーク、GPS、77基の衛星により形成されるイリジウム衛星通信システムは、米国の国庫に向け尽きることのない財源を創造している。一部メディアは、「米国の軍事投入はこのようなメカニズムにより、軍民一体の付加価値効果を生んでおり、軍隊は国家経済の成長を促す宝箱になっている」と伝えた。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年6月18日