TPP参加で日本はうまい汁を吸うのか、それとも吸われるのか
共同通信によると日本の安倍晋三首相(自民党総裁)は16日に自民党本部で全国幹事長会議を開き、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加表明について理解を求めた。これは日本政府のTPP参加決定について、自民党内にさえ溝があることを浮き彫りにするものであり、他党に異なる意見があることは言うまでもない。人民日報海外版が伝えた。
■予想される利益
TPPはシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国が2005年にAPECの枠内で調印した小規模な多国間貿易協定が始まりで、後に多くの国々に拡大された。これまでの経済協力協定と異なり、「戦略的連携」を盛り込んでいる。しかもTPPは投資、サービスなど幅広い分野で自由化を追求する自由貿易協定(FTA)として、全ての関税撤廃を原則としている。
米国など11カ国の参加するTPP交渉は今年、徐々に終盤を迎える。日本政府は時機を逃すことを恐れ、ラストチャンスに飛びついた。
安倍氏は15日、TPP交渉への正式参加を決定した。もちろん安倍氏は自らの決定に理由づけを行った。その説明はこうだ。日本はすでに低出生率、高齢化、長期デフレといった大きな壁にぶつかっている。一方、アジアの新興国は次々に開放型の経済モデル転換を行っている。
TPP参加にはどのようなメリットがあるのか?1つはアジア太平洋市場の活力を利用して経済を振興し、経済構造改革を推進することができる。また、米国のアジア政策に追随して日米同盟を拡大し、中国を封じ込めることができる。日本の中国包囲網がまた一歩進んだと日本メディアは直言してはばからない。
日本政府はTPP参加は国内総生産(GDP)を3兆2000億円(0.66%)押し上げると試算している。輸出成長と国内の個人消費の増加は農業へのマイナス効果を帳消しにするに十分だという。