「神舟10号」で花開く「宇宙飛行士経済」
有人宇宙船「神舟10号」の打ち上げ成功に伴い、搭乗した宇宙飛行士の故郷の特産物に人気が集まり、「宇宙飛行士経済」が熱くなっている。王亜平さんの故郷・山東省のサクランボ、聶海勝さんの故郷・湖北省の紫芋パウダーなどだ。スーパーマーケットやインターネットの店舗では、「宇宙飛行士出身地の特産品」や「宇宙飛行士専用の食品」が好調な売れ行きで、普段はさほど注目を集めない「宇宙服」にも人気があつまり、精巧なレプリカには1万元近い値を付けるものもあるという。「広州日報」が伝えた。
広東省広州市の越秀区大徳路にある果物を取り扱うスーパーには、「山東煙台のサクランボ、宇宙飛行士の故郷産」の売り文句が踊る。サクランボは大人気で、問い合わせる客や購入する客がかなりの数に上るという。同スーパーの店員によると、神舟10号への関心が高まるにつれて、不断から人気があったサクランボは最近さらに人気を集めるようになった。「今はサクランボの季節で、価格の出来もよく、たくさんの人が購入している。宇宙飛行士・王亜平さんの故郷の特産品ということで、ここ2日ほどは特によく売れている」という。
果物スーパーでの徐々に人気が高まる様子に比べて、宇宙飛行士の故郷の特産品を扱うット店舗の多くでは猛烈な勢いで売り上げが伸びている。あるサクランボ取り扱い店舗のオーナーによると、同店舗で取り扱うサクランボはすべて自ら生産したもので、価格は500グラム9元だ。以前から自ら生産した露地栽培のサクランボを販売していたが、ここ数日は特に注文が多い。旬に入ったということもあるが、注文客の多くが宇宙飛行士・王亜平さんに関する情報で彼女の故郷の特産品であることを知ったと話しているという。また紫芋パウダーを取り扱うネット店舗は「宇宙飛行士ブランド」をうち出し、取り扱う商品が「英雄の故郷」、「聶海勝さんの故郷」の湖北省産であると宣伝している。
フルーツだけでなく「宇宙飛行士しか食べることのできない乾燥イチゴ」、「宇宙飛行士専用の砂糖」なども、多くのネット店舗で売れ筋商品のコーナーに並べられている。乾燥イチゴを取り扱うある店舗のオーナーによると、「『宇宙飛行士しか食べられない』との宣伝をうち出したのは、顧客を引きつけるため」で、同店舗の売り上げは「30日で16件」だという。
色とりどりの「宇宙飛行士専用食品」や「宇宙飛行士のために作られた食品」の真贋はどうなのだろうか。調査によると、消費者の多くは最近人気の宇宙飛行士の故郷の特産品や宇宙飛行士専用食品が本物であるか、偽物であるかにさほど注意を払っていないという。
広州市天河区に住む「おいしいもの大好き」な悦さんは、「グルメの多くは概念的な商品だ。最近は宇宙飛行士のメニューといった生活方面に注目する人が増えており、多くの企業がこの商機に注目している。これは消費者にとっても悪いことではない」と話す。またあるネット利用者は、「産地の偽装といった消費者をだますようなことをしなければ、各地の特産品をいろいろ購入できるのは食いしん坊たちの楽しみになる」と話す。
▽宇宙服のレプリカに1万元 ビジネスツールに
各種グルメの相次ぐ登場だけではない。コスプレ衣装を取り扱う漫画・アニメ関連の実体店舗やネット店舗では、最近目に付く場所に「宇宙服、船内服、船外服あります」の表示が掲げられるようになった。値段は数十元から数千元までさまざまだ。
宇宙服などを取り扱うある店舗の顧客サービス係によると、大部分の顧客は映画作りの小道具やビジネスツールとして、またイベントやショーで使用するために宇宙服を購入する。個性的な贈り物として購入する人もいるという。
この顧客サービス係によると、同店では以前から宇宙服の精巧なレプリカを販売していたが、火がついたのはここ2日ほどのことだ。この2日間に、インスタントメッセンジャーのQQや飛信を通じて、また直接電話して宇宙服について問い合わせてくる人がかなり増えた。今では24時間体制の3回線を準備して問い合わせに答えている。取り扱い商品が聶海勝さんや張暁光さんの着ている宇宙服と同じかどうかをたずねる人が多いが、自分のところで取り扱う製品は精巧なレプリカで、本物の宇宙服ではない、と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年6月13日
有人宇宙船「神舟10号」