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橋下氏の失言に見る日本の若手政治家の歴史観と価値観

「週刊!深読み『ニッポン』」第43回 

「週刊!深読み『ニッポン』」
 日本維新の会共同代表の橋下徹氏による最近の発言について、日本の大手メディアの報道が続いている。大阪市長の橋下氏は5月13日、慰安婦に関する報道陣の質問に、日本が第2次大戦時に従軍「慰安婦」を「募集」したこと、つまり性奴隷制度は「軍の規律を維持するために必要」だったと発言した。また、4月に沖縄の米軍基地を訪問した際には、兵士に地元風俗店の活用を認めるよう在日米軍上層部に提案した。これには中韓両政府が正式に抗議しただけでなく、米国防総省のリトル報道官も「話にならない」と指摘。米国の議員やメディアも厳しく批判した。日本のメディアや民衆もこの件について強い反応を示している。橋下氏はこれまで日本政界の風雲児として様々なメディアに持ち上げられ続けてきた。だが今回の件で、ほとんど袋だたきの対象となった。(文:趙剛・人民網日本語版特約コラム論説員、中国社会科学院日本研究所日本問題専門家)

 橋下氏はいかなる人物か?1969年に決して豊かではない家庭に庶民の子として生まれ、幼い頃に父を失った。母が女手一つで苦労して育て、有名な早稲田大学政治経済学部を卒業。さらに日本最難関とされる司法試験に25歳で合格し、上層社会への切符を手にした。反抗的でしょっちゅう教師と対立した学生時代、そして大人になってからの茶髪の弁護士、7人の子の父親、女性スキャンダル等、橋下氏はずっと型破りで、常識通りに行動しない人物だった。このため中高から大学、そして最初に就職した弁護士事務所まで、どこでも彼の行動や人となりをさげすむ人がいた。だが橋下氏はあらゆる機会を捉えるのに非常に長けてもいた。2003年4月から「行列のできる法律相談所』に出演して、独特の言葉遣いや立ち居振る舞いで多くの視聴者を引きつけると、本業はそっちのけで様々なバラエティー番組に積極的に出演。最多時には20以上の番組に出演し、主婦たちから日本の韓流スターと呼ばれた。その後政界に出没できたのも、ひとえにバラエティー界で培ったイメージのおかげだ。バラエティー界が今日の橋下氏をつくり上げたと言っても、少しも過言ではない。

 だが度々失言するうえ管理不能の「ビッグマウス」は、橋下氏に多くのトラブルをもたらしもした。例えば日本の伝統芸能である能や狂言が好きな人を「変質者」呼ばわりしたり、生徒の試験結果の公開を拒否する教育委員会を「クソ」呼ばわりしたことなどだ。彼を人気者にするのに力を貸したマスコミ関係者に対しても、全く遠慮はなく、朝日新聞について「愚かな新聞。なくなった方が世のためになる」と述べたことがある。今回の慰安婦報道について追跡報道を行なった毎日新聞にいたっては、記者から編集長までくそみそに罵られた。今日の日本政界において、「無冠の帝王」として知られる報道メディアに面と向かってこうも威張りくさることのできる政治家は、やぶれかぶれで年寄り風を吹かしている、いかさま政治屋の石原慎太郎を除けば、恐らく他にいない。そして石原氏は、橋下氏にとって精神的指導者であり、模倣の対象でもある。

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