明治が中国撤退か 理由は不明
国内外の粉ミルク企業が中国という巨大市場に力を注ぐ中、中国進出からすでに長年が経過する明治が、中国市場から撤退するという情報が流れている。明治の中国法人は昨日インタビューの中で回答を避けたが、昨日夜になり多くの業界関係者が本紙に対して、本件が事実であることを確認したと報告した。京華時報が伝えた。
数日前に乳業専門家が微信(WeChat、中国版LINE)で、「明治にビッグニュース、要注意」と情報を発表していた。一昨日夜、権威ある専門家は記者に対して、「明治は中国市場から撤退し、欧州市場にシフトしようとしている」と語った。記者が昨日正午、明治乳業上海貿易有限公司の担当者の沈部長に電話取材したところ、部長クラスには伝えられていないという回答を得た。
しかし昨日深夜、上述した権威ある専門家は記者に対して、「内部関係者に確認したところ、明治が中国市場から撤退することが確実になった。しかしその理由については、突き止められていない」と述べた。中商流通生産力促進センターの乳製品アナリストの宋亮氏も昨日夜に微博(ウェイボー・ミニブログ)で、「明治が中国市場から全面撤退する」と投稿した。
明治は2007年に正式に中国乳製品市場に進出した。明治の日本本社は2011年に、日本で生産された粉ミルク「ステップ」から微量の放射性物質セシウムが検出されたと発表し、リコールを実施した。明治の中国における評判は、これにより影響を受けた。中国は今年、粉ミルク業界に対して独占禁止に関する調査を実施し、明治も調査の対象となったが、最終的に処罰を免れた。
自ら中国市場から撤退することについて、乳業専門家の王丁棉氏は昨日、「その他のブランドに比べ、明治の中国での経営手法は保守的で、反応がにぶかった。しかし中国市場での売上は上位に入るはずで、経営を続ければ市場を失うことはなかったはずだ。自社の問題によりボツリヌス菌が検出されたフォンテラ、医師や看護師に賄賂を贈っていたことが発覚したDumexも強い圧力に耐え切ったことから、明治が撤退する妥当な理由が見つからない」と指摘した。
情報によると、明治の中国法人は本日公告を発表し、本件を発表することになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年10月24日