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ロレアルが急速拡大 資生堂2ブランドを買収

 化粧品大手のロレアルは20日、日本の資生堂グループにフランス子会社のブランド「デクレオール」と「カリタ」の買収をもちかけたことを明らかにした。資生堂はすでにロレアルに排他的交渉権を与えているという。国際金融報が伝えた。

 コンサルティング会社・和君諮詢集団のパートナーのエン強さんによると、この買収案件でロレアルがほしいのは、資生堂の傘下ブランドがもつルートだ。分析によると、この買収を通じて、ロレアルはスキンケア・ヘアケア業務を強化することができ、資生堂側には欧州業務を整理できるというメリットがある。

 ▽加速的に拡大するロレアル

 ロレアルはこのたびの買収額を明らかにしていないが、米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると、買収額は2億3千万ユーロ(約309億円)で、ロレアル側から買収を働きかけたという。ロレアルによると、今回の買収は数週間以内に調印にこぎ着ける見込みだが、関連の監督管理部門による審査承認はまだ受けていないという。

 ロレアルは業務拡大に向けて歩み続けており、今年に入ってから数件の買収を行った。4月には創業者の株主からケニアの化粧品会社インターコンシューマー・プロダクツを買収してアフリカ業務を強化し、8月には65億3800万香港ドル(約828億円)で美容マスクで有名な美即持株国際有限公司の全株式を買収した。

 ロレアルグループのプロフェッショナルプロダクト事業本部のゼネラルマネージャーのアン・ベルハルスト-サントスさんによると、ロレアルのヘアサロンルートを補完することになる今回の買収計画は、ロレアルのプロフェッショナルプロダクトがプロフェッショナルなスキンケア・ヘアケア戦略市場の重要な一員となる上でまたとないチャンスを提供してくれる。デクレオールとカリタという優れたエステブランドは西欧地域で発展しており、その成長の潜在力は、とりわけ世界的な成長の潜在力は大いに期待できるという。

 前出のエンさんは取材に対し、日本の化学品産業の競争は激しく、化粧品メーカーが包囲網を突破するにはブランド、機能、ルート、経営力などの要因がカギを握ることになる。買収を通じてロレアルは製品のラインナップを補完し、ブランド構成を改善し、より多くの消費層をカバーすることになる。より重要なことは、買収によって新たなルートを切り開き、現地市場の一層の開拓に乗り出せるということだ。

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