「抄号族」増加で実店舗が「ただの試着室」に
インターネットショッピングが登場してからというもの、実店舗が徐々に「ただの試着室」に成り下がっている。書き入れ時の11月11日・独身の日を控え、ショッピングモールなどに行って商品を試着し、番号を控えてネットで買う「抄号族」が普段にも増して大手ショッピングモールを訪れるようになった。これまでずっと電子商取引(eコマース)と水と油の関係にあったとあるショッピングモールも、今年はついに抄号族に門戸を開き、オンラインショッピングモール天猫の独身の日キャンペーンを支援する姿勢をうち出した。「北京晨報」が伝えた。
▽現象 実店舗が製品番号を公開
4日のことだ。ある大型ショッピングモールからの公式ショートメッセージに注目していた何さんは、1通のショートメッセージを受け取った。そこには、11月1日から11日まで、すべての店舗でブランド製品の製品番号を公開するので、消費者は自由に番号を控えることができると書かれていた。「あなたのオフラインの試着室になります」とも書かれていた。このほか、天猫がうち出す「オフラインで体験し、オンラインで優待を受ける」という内容のキャンペーンをめぐり、ショッピングモールもさまざまなルートを整備し、このイベントに参加するブランド情報を大きく宣伝している。宝島眼鏡、GAP、G-STAR、フォリフォリ、ナインウエストなどのブランドが含まれる。何さんは、「以前は売り場で番号を控える時は試着室でこっそり控えていた。今回のメッセージにはものすごくびっくりした」と話す。
意外に感じたのは消費者だけではない。同業他社も驚いている。抄号族はこれまでショッピングモールにとって対応に気を付けなければならない相手だった。店側としてはこうした行為をされると売り上げに大きく響く上、店がネットショッピングの試着室に成り下がってしまうので、抄号族を恨めしく思っていた。ある百貨店の責任者によると、消費者が番号を控えるのを禁止することはないが、奨励するわけでもない。消費者には選択権があり、試着して買わないのは可能だが、百貨店にはコストがかかっており、ずっと無償で「試着室サービス」を提供することはできないという。