これと同時に、典型的なユーザークラスターである三線以下の都市の消費者が、徐々にぜいたく品消費の中心になっている。こうした消費者は裕福な家庭に生まれ、大都市で学んだ経験があり、消費バージョンアップの強い要望を抱く人が多い。世界と中国とのぜいたく品の価格差が徐々に縮まり、オンラインの通販プラットフォームでぜいたく品が充実してきたことから、オンラインルートは三線以下都市の消費者がぜいたく品を買う場合の主要ルートになりつつある。
データをみると、中国国内のぜいたく品販売店の80%は都市別国内総生産(GDP)番付で上位15位以内に入る都市にあるが、ぜいたく品を購入する富裕層のうち、こうした都市に暮らす人は25%に過ぎず、需給のバランスが取れていない。ぜいたく品ブランド側はオンラインプラットフォームの構築を急いで若い消費クラスターを取り込むことが焦眉の急だ。
今やブランド自身も、ECプラットフォームも、オンライン市場をめぐり壮絶な戦いを繰り広げる。ではぜいたく品はオンラインでも市場を獲得するだろうか。マッキンゼーが発表したレポート「デジタル・ダーウィニズム:適者生存のための破壊的思考法」によると、今や個人のぜいたく品(衣類・服飾品、靴、アクセサリー、ジュエリー、眼鏡)のオンライン購入額が世界のぜいたく品市場で8%の割合を占め、金額にして200億ユーロ(1ユーロは約128.2円)に達する。これは2009年の5倍の数字だ。25年にはさらに増え、740億ユーロに達するとみられる。言い換えれば、未来の世界ではぜいたく品売上高の5分の1かそれ以上がオンライン経由になるということだ。
オンラインでもオフラインでも、ここ2年ほどは中国でぜいたく品が好調で、ブランド側は中国市場への意欲をますます高めている。だが業界関係者は、「中国のぜいたく品消費者の成長の潜在力には限界があり、ぜいたく品ファッションブランドがこれからさらなる成長率を遂げようとすれば難しい挑戦に直面することは確実だ。中国の若年世代の消費者はファッション意識がますます成熟し、個性をより重視するようになっている。高級路線の知る人ぞ知るデザイナーのブランドが、伝統的ぜいたく品ブランドの市場でのポジションを脅かす存在になる可能性もある」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2018年9月8日
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