「嫦娥4号」が世界レベルの科学技術的ブレイクスルーの光を灯した。1月3日、26日間、約40万キロメートルの長い航行を経て探査機「嫦娥4号」が月の裏側に着陸し、世界初となる月の裏側の近距離画像も送信してきた。「これは国際的に月の科学探査における歴史的一歩だ」「人類の月探査に新たな章を開いた」……宇宙探査分野における中国の進歩に世界は大変注目している。(人民日報「鐘声」国際論評)
過ぎ去ったばかりの2018年を振り返ると、分子構造の測定から宇宙探査まで、太古の動物の発見から細胞の秘密の解明まで、1つ1つの科学技術的ブレイクスルーが人類の時間と空間における認識の限界を押し広げ続け、人類の発展と進歩に貢献してきた。単細胞遺伝子活性分析法、世界初の人工単一染色体真核細胞、人類以外の霊長類で初のクローン体細胞、太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」による人類初の「コロナ接触」探査……科学の殿堂は星の光にきらめき、人類は新たな知見を得続け、科学技術によって力を与えられ続け、人類社会前進の素晴らしい将来性が示された。
世界の歴史における数度の科学技術革命は、その度に世界の情勢に深い影響を与えてきた。科学技術が全人類に幸福をもたらすという信念が揺らいではならないということを歴史の経験は人々に告げている。マルクスが強調したように「科学技術は自己利益のみを図る享楽では決してない」のであり、数え切れないほどの科学者たちが「私欲なしに全人類に奉仕する」ことを科学の価値として尊んできた。
科学技術の発展と利用の道程が常に夢幻に満ちた暖かいバラ色というわけではないことは否定できない。科学技術の進歩は険しい山道を渡りきった成果であり、科学技術の成果を享受するにも時に茨の道を切り開く必要がある。ハイテクは「未来感」をつくり続け、情報と技術の広がりの加速によって世界はどんどんフラットになっている。その一方で、特定の国は新興技術の輸出規制を強化し、さらには他国の科学技術イノベーションの成果を封じ込め、締め出して、技術ブロックとデジタルデバイドを人為的につくろうとすらしている。「技術の駆引き」さらには「科学技術の冷戦」といった言葉が国際世論に生じていることに、人々はため息をつかずにはいられない。
新たな1年において、人々は国際的な科学技術協力の交響曲を聴くことを切望している。嫦娥4号の月探査の旅は、まさにこうした喜ばしい知らせを伝えるものだった。嫦娥4号探査機はドイツ開発の月面の中性子その他粒子の放射線環境を総合的に調査できる観測機器を搭載している。これは中独協力の成果だ。嫦娥4号と共にミッションを遂行する中継衛星「鵲橋」も月探査の国際協力に新たな幕を開く「大役」を務めた。オランダ開発の低周波電波分光計を搭載しており、今後軌道上で科学探査実験を行い、低周波の「宇宙の声」を注意深く聞き、ビッグバンの残した「パスワード」を探し求めることができる。実際には、中国の宇宙技術の急激な発展及び世界に対して開かれた姿勢は、すでに国際協力パートナーを数多く引きつけており、誠実に手を携え、道中を共にしているのだ。
科学技術は第1の生産力だ。人類の歴史における多くの科学技術革新の成果は、いずれもオープン、交流、協力という環境の中で育まれたものであり、世界に幸福をもたらしてきた。人々は今、国際的な科学技術協力が世界経済が新旧原動力の転換を後押しし、新たな経済成長の推進力を培うことに資するとの認識を深めている。この意味において科学技術革新分野の国際協力は、科学技術革新の成果をさらに多くの国々と人々が共有し、利用できるようにするものであり、世界が経済の新たな枠組みを共に築くための重大な戦略的任務ともなる。
良い競争の行われる、開かれた協力的な国際環境の構築は、科学技術革新を一層高める助けとなる。近代微生物学の礎を築いたパスツールは「科学に国境はない。科学は全人類の財産であり、世界を照らす松明だ」と語った。2019年の新たな科学技術革命の波を展望すると、共に新たな科学技術革命のたいまつを掲げて、人類に新たな力を与え、共同発展に助力できることを、人々はなおさらに理解するはずだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2019年1月4日
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