平成の30年間、日本経済は天国から地獄への転落を経験し、ようやく通常レベルにまで戻るといったように、まさに波乱万丈の時代だった。そして、平成に別れを告げ、「令和」を迎えようとしている現在、日本の経済界は今後に対する期待を高めている。新華網が伝えた。
「平成」は、1989年1月8日に始まり、2019年4月30日に終わるため、30年と4ヶ月という長さだった。平成元年はバブルの絶頂期だった。同年の最後の取引日には、日経平均株価は3万8915.87円と過去最高を更新し、その後の30年間、その記録が塗り替えられることはなかった。
平成元年、日本人はバブルに沸き、世界各地を旅行し、高級品を買いあさっていた。また、産業界も鼻を高くし、日本が世界から学べるものは何もなくなったと高を括っていた。当時、そのような状況が1年しか続かないとは誰も夢にも思っていなかった。
90年代初め、日本のバブルは突然崩壊。その後、何十年も低迷した。「失われた10年」、「失われた20年」、「失われた30年」…。不景気となった日本は未だに以前のような高度成長を再現することはできていない。「縮小」が平成時代の最大の特徴で、数十年こつこつと働いていたサラリーマンの給料は上がるどころか減少に転じ、消費の低迷、投資の低迷、経済の低迷に繋がった。
戦後、経済復興と高度成長期を経験し、「東京の土地を売れば、米国全土を買うことができる」時代を生きた日本の今の高齢者が平成の30年間を振り返ると、輝かしい時代は遥か遠い昔のことのように思え、金を湯水のように使っていた若い時の豪快さは完全に消え、つつましい老後を送っている。
一方、平成時代に成長した若者は、バブルを経験しておらず、親世代のような必死さもビジョンもない。経済低迷が常態化し、同世代の若者は、「低欲望」というレッテルを張られるようになっている。
しかし、近年、日本経済は回復の兆しを見せるようになっている。例えば、2017年、日本経済は1.9%も大きく成長した。2018年は再び0.7%増に下落し、成長ペースが鈍化したものの、日本経済は7年連続の成長となっている。そして、今回の経済成長は、戦後最長の回復期になるとの期待が高まっている。
万葉集の「初春の令月にして気淑く風和ぐ」から命名された「令和」という新元号には、日本人の将来に対する期待が込められている。日本経済は依然としてデフレ、高齢化や巨額の財政赤字などの問題に直面しているものの、日本の多くの産業は長期にわたり調整を経て、既に新たなスタートを切っている。
モノのインターネットや人工知能(AI)、ロボット、自動運転、環境エンジニアリング、医療・看護など多くの分野で、日本は高い競争力を誇るようになっている。日本の経済界は、時代が「令和」に代わるのを機に、産業が入れ替わる時期のチャンスをつかみ、日本経済の新時代を作ることを強く願っている。
昭和時代の経済の奇跡は既に幕を閉じ、平成時代の経済低迷も徐々に終わろうとしている。「令和」時代の日本の見通しについて、日本の人々は、今後自国の構造性問題への対策を見つけ出し、産業構造の調整をいち早く完了させ、最低賃金や平均賃金が向上し、一層平等な社会が実現することを期待している。より速く経済が成長する社会ではなく、一層バランスの取れた社会づくりというのが、日本国民と政策決定者の「令和」時代への普遍的なビジョンだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年4月4日