日本では現在、空地や空き家が増えていることが社会問題となっている。資源の浪費ともなるその問題の原因は何なのだろう?空地問題の有効な解決策はあるのだろうか?
神戸市の中心地から離れた高台の地から見下ろすと、にぎやかな港が遠くに見える。しかし、そこにある住宅地を見回すと、そこにも借り手が長期間見つからない空き家が何軒もある。
神戸市の市職員である山田隆太さんは、「日本では『東京一極集中』と言われている。東京以外の都市は、どこも経済的に苦しい状況にあると思う。働く場所がなく、東京に流れる人が多い。神戸は大都市だが、田舎とみなされている状況」と述べた。
日本の資源は東京に過度に集中し、田舎はもちろん、その他の地方都市でも発展の原動力不足という問題が普遍的に存在している。根本的なところを言えば、30年前の日本人は土地が最大の資本で、値上がりすることはあっても、値下がりすることはないと考えていたものの、人口の減少がもたらした影響が、日本人の土地に対する態度を変えてしまった。
日本の増田寛也元総務大臣は、「最近、日本の総人口がどんどん減り始めているため、土地の値段が急落している。確かに大都市の商業地の土地の値段は高い水準にあり、まだ上がり続けているが、一方で、その周辺地域では空き家も空地も増えており、値段が下がり続けている」とした。
日本の法律は、土地や家屋の所有者は、固定資産税を納めなければならず、税率は1.4%と規定している。土地を譲渡や相続する場合の手数料は土地の市場価格の約10%も必要で、さらに、土地の値段の10‐55%を贈与税として納めなければならない。その他、土地や家屋の管理費も必要となる。増田元総務大臣は、「各種費用を支払わなければならないため、多くの人がしり込みしてしまい、それが空地を買う人がいない最大の原因となっている」と分析する。
弁護士の前田実氏は、「土地というのは財産とみなすことができるが、管理費や税金が増えていけば、マイナスの財産になりかねない」と指摘する。
空地を遊ばせておかないために、2018年に可決された日本の法律によれば、学校や公園の建設など福利事業を目的に所有者不明の土地を利用する場合、土地の利用権が取得できるようになった。この方法は、土地の所有権があいまいであるため、実施が最も容易で、誰の利益も損なうことがないため、最も受け入れられやすい。
また、多くの自治体も農村での生活と関係のある企画を実施して、若者が故郷に戻るよう促している。
実際には、日本政府も各自治体も、空地が大量に存在している問題を実際的な方法で解決しようと努力している。だが少子高齢化問題や人口が東京や大阪のような大都会の集中している問題を根本的に解決することはできず、その場しのぎの解決策でしかない。 (編集KN)
「人民網日本語版」2019年4月4日