今年2月に日本と欧州の経済連携協定(EPA)が発効し、関税分野では農林水産品と鉱工業製品を合わせて日本側が約94%、EU側が約99%を撤廃することになっている。特に酒類は直ちに関税が撤廃されたため、日本酒の消費と輸出に顕著な変化が表れている。
関税撤廃後、日本の百貨店やスーパーなどの小売業界は続々と販売促進キャンペーンを実施している。100種類以上の商品が値下げされ、欧洲産の輸入ワインは1割ほど安くなっており、消費者に利益をもたらしている。また、日本酒も、100リットル当たり7.7ユーロ(1ユーロは約125.3円)の関税が撤廃された。日本全国の約1700種類の日本酒が展示されている東京のある展示ホールには最近、多くの人が詰めかけている。
近年、日本酒の日本国内消費量は縮小の一途をたどっており、海外販路の開拓の重要性が高まっている。日本酒業界は分散型で、小さな酒造工場で作られることが多いため、大規模生産は難しく、どうしてもコストが高くなる。そこに輸送費や関税などを加えると、海外市場での販売価格は卸値の2、3倍になってしまう。そのため、今回関税が撤廃されたのは、日本酒業界にとっては願ってもないビジネスチャンスとなっている。
日本酒造協会の古賀明常務理事は、「高い附加価値を持つ酒を出しながら、その品質の良さを売りにして市場を開拓し、一般の消費者が飲めるような値段で推し進める。海外の家庭にまで広がってほしい」と述べた。
2018年の日本酒の輸出額は222億円と、過去最高を更新した。しかし、日本政府の20年までに600億円という目標には、まだほど遠い数字となっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年4月4日