グッチ、ルイ・ヴィトンなどが中国で一斉値下げ 高級品市場回復なるか?

人民網日本語版 2019年04月03日16:53

4月に入り、中国に世界的にも有名な高級品ブランド商品の新たな値下げの波が到来した。中国政府が付加価値税の税率引き下げ政策を実施するのに合わせて、グッチやルイ・ヴィトンなどの高級品ブランドを含む、多くのブランド商品の小売価格が中国で4月1日から調整され、値下げ幅は約3%となっている。経済日報が伝えた。

3月21日、中国財政部(財務省)と税務総局、税関総署は共同で「付加価値税改革関連の政策実施深化に関する公告」を発表。今年4月1日から、付加価値税一般納税者を対象として付加価値税が発生する販売行為の税率、輸入物品税率、インバウンド客が中国で税金還付対象の商品を購入し、中国を離れる際に還付される税率などが、引き下げられた。

高級品ブランドの値下げは「宣伝」のため?

ルイ・ヴィトンは3月末にオフィシャルサイト(中国)の商品価格を調整し、その値下げ幅は約3%となっている。4月1日、グッチも中国市場における商品価格を約3%引き下げた。消費者が最も注目しているのは値下げ後、中国での販売価格が欧洲での販売にどれほど近づいたかだ。あるメディアは、グッチやルイ・ヴィトンの一部の人気ハンドバッグの中国のオフィシャルサイト、購入代行、海外のオフィシャルサイトの価格を比較した。その結果、3%値下がりしても、2ブランドのハンドバッグの中国のオフィシャルサイトの価格は依然として欧洲のオフィシャルサイトや購入代行の価格より明らかに高いことが明らかになっている。

グッチのある人気ハンドバッグを例にすると、中国のオフィシャルサイトの価格は1万7900元(1元は約16.6円)から3%値下げされて1万7363元。一方、欧洲諸国のオフィシャルサイトの価格は1790ユーロで、人民元に換算すると1万3484元で、中国のほうが3800元以上も高い。このように、中国市場の価格は明らかに欧洲市場より高い。

同じく3%値下げしたルイ・ヴィトンの商品の販売価格を見ても、中国市場のほうが明らかに高く、その差は平均2000‐3000元となっている。

これについて、ある業界関係者は、「高級品ブランドの値下げ実施は、実際には値下げ価格云々というよりも形式的な意味合いが強い。各ブランドの『宣伝』となっているほか、消費者に、中国市場と欧洲市場の販売価格の差を小さくしたという誠意を示す意味合いが強い」と分析する。

値下げで中国の高級品市場回復なるか?

米ベインキャピタルの「2018年度高級品報告」によると、世界的に見ると、中国の消費者の高級品購入額が、世界全体の購入額に占める割合は年々上昇しており、中国の消費者は世界の高級品市場成長の主要な原動力となっている。そのため、ますます多くの世界的な高級品ブランドが一層中国市場における価格設定戦略を重視するようになっている。中国での販売価格引き下げという現象だけを見ると、中国と海外の直営店舗の値段の差が小さくなることで、より多くの消費者が中国で商品を購入するようになる。価格的要素は直接的に高級品の消費者層を直営店に誘導することができ、中国国内の高級品市場の回復を促進することになる。

高級品の専門家である、要客研究院の周■院長(■は女へんに亭)は、「世界で価格を統一するというのが全体的な流れとなっている。今回の値下げは形式的なものであるものの、各ブランドが世界で価格を統一するための努力の一環であることも確かだ。値下げを通して、各ブランドは国内外の値段の差を縮小し、消費の回復を促進したいというシグナルを発している」と分析する。一方、高級品中国聯盟の名誉顧問・張培英氏は、「3%の値下げ幅では、高級品購入者に対して、本当の意味で大きな影響を及ぼすことはない。欧洲と中国で価格の差があるのは、各ブランドが地域に合わせた価格差別戦略を実施しているからだ。高級品の一貫した価格設定戦略を見ると、国によってその価格の差は常に約20%ある」と指摘している。(編集KN)

「人民網日本語版」2019年4月3日

  

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