同じように北京に住む90後(1990年代生まれ)の李■(王へんに旋)さん(仮名)は有名な事業機関で働いている。「働いているところは立派だけれど、自分の収入は決して多くない」という。
李さんは自分のことを毎月の給料をその月にすべて使い果たす「月光族」だという。現在はクレジットカードに数万元の未払い金があり、分割して返済している。貯金して住宅購入に備えないのはなぜかとたずねると、「家は高すぎて買えないし、ほしくない。収入は自分の暮らしを向上させるのに使った方がいい。大都市で働くのは大変なことで、自分で自分を苦しめるようなことはしたくない」と答えた。
実際、李さんのように考える若者は少数派ではない。表面的にみれば立派な仕事をしており、日常の消費は活発だが、その消費は将来の一層の発展にはつながらない。
有識者によると、「学生が感じる学業のプレッシャーに比べ、働く若者の感じる経済的プレッシャーは社会に軽視されがちだ。絶対的貧困とは異なり、働き始めた若者たちは『目に見えない貧困』という困難に直面しており、表面的には颯爽と働いているように見え、前倒しの消費を楽しんでいるように見えるが、実際には重い経済的プレッシャーに耐えて、住宅ローンや賃料や自動車ローンを支払っている」という。
この有識者は続けて、「消費主義という言葉でこのような若者をひとくくりにして批判することはできない。彼らの中には、大都市では家が買えないので、家の購入をあきらめて、生活を楽しむことにしたという人が少なくない。だが彼らの家に何か問題が起きれば、そのリスク対抗力の弱さがあらわになる。彼らの境遇は社会が抱えるリスクの一部であると、ある程度言うことができる。国は若者層に的を絞り、より総合的で正確で有効な政策を打ち出すべきだ。たとえばより整った雇用政策、住宅供給政策を打ち出して、若者の生活上の困難を解決し、経済的プレッシャーを緩和することが必要だ」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年4月12日