草を森に、石ころを山に、小さな水滴の形を広々とした大海に見立てたミニチュア作品…こうした作品を作っている張◆(◆は羽へんに中)さんのアトリエには、2センチ大のプラスチック製のミニチュア・フィギュア数千体が作業台の上にごちゃごちゃと転がっている。2年間で、張さんは数千本の筆をダメにしながら、ミニチュア・フィギュアを3万体も作ってきた。ミニチュア・フィギュアのコレクターだった張さんは、2年後にはフィギュア作家になり、売る側になっていた。
リアルの世界と比べ、張さんのアトリエではすべての家や道、人が87分の1に縮小されている。張さんはプラスチック製のミニチュア・フィギュアに顔料を塗る。いったん作業を始めると、小さなフィギュアに囲まれて4-5時間座り続けこともしばしばだ。顔料を塗る筆は長さわずか2センチ、穂先の長さは6ミリしかない。張さんは手でその大きさを示し、「女性が使うアイライナーブラシよりも細くて短い」と語る。
市場においてミニチュア・フィギュアのブランドは非常に少なく、しかもどれも欧米ブランドであるため、張さんはネット通販大手・淘宝(タオバオ)に自作のミニチュア・フィギュアの店を出すことを思いついた。ところが、思いがけないことに注文数がどんどん増え、最初の1ヶ月には十数件しかなかった注文が、今では毎月数百件になってしまった。しかもどの注文もミニチュア・フィギュアを何体も予約してくるのだ。
2018年年末、張さんは約1ヶ月分の受注に対して納品が滞り、淘宝の店を1ヶ月間閉めて、注文をこなさざるを得なかった。
目下のところ、張さんにとってお金を稼ぐことは2番目。より重視しているのは今ある作りかけのフィギュアをすべて仕上げることだ。そして中国オリジナルのミニチュア・フィギュアのブランドを立ち上げたいと願っている。(編集AK)
「人民網日本語版」2019年5月30日