防護服を着用し、ヘルメットをかぶり、ゴム手袋をつけて、野球バットを1本選び、閉め切られた部屋に入り、激しい音楽を聴きながら、力いっぱい酒瓶やテレビ、コンピューター、人形などさまざまな物を壊しまくる。ここは陝西省西安市の北の郊外に、3人の「90後」(1990年代生まれ)の若者がオープンしたうっぷんを晴らせる「ストレス発散屋」だ。料金を支払いさえすれば、その値段に合わせて店内の部屋にある物を壊してストレスの解消や発散ができる。この店の創業者である王新さんは今年23歳。王さんは、「自分自身ももともと仕事のストレスが多く、給料が安く、家族からは結婚をせかされるような人間だった。自分で起業したのは、若者もストレスを発散して心のうっぷんを吐き出せるようなストレス解消方法を考えたかったから。そうすることで初めてよい仕事やよい生活ができる」とその動機を語った。
この「ストレス発散屋」は酒瓶や電器を壊すような暴力的な発散をする部屋のほか、乙女心を満喫できる女性用の部屋もある。女性用の部屋に用意されている衣装はすべてガーリースタイル。女性のストレス解消方法は見たところかなりシンプルでおとなしいもので、何人かの女性が羽毛枕で相手を叩き合ったり、足で思い切り風船を踏みつけて割ったりしていた。
王さんによると、店内では電話や古いテレビ、マネキンなどを壊すこともできるが、値段は相対的に高くなるという。店内の壊してもいい物の値段は、ポットが10元(1元は約15.7円)から、古いコンピューター・モニターが100元から、大きめの古いテレビが300元などとなっている。6月の開店から、この「ストレス発散屋」で最も多く壊されたのは酒瓶だという。ネットの情報によると、この店で一番売れているのは2人用セットメニューで、208元のセットに防護服や防護用ヘルメット、防護用手袋、酒瓶1籠分、ポラロイド写真1枚が含まれており、時間は無制限で物を壊し終わるまで、となっていた。店側は顧客に対しストレス解消体験の前に免責声明にサインするよう求めており、免責声明には安全に関する注意事項が列記されている。王さんは、「ルールを守ってきちんと保護措置を取りさえすれば、体験者がケガをすることはない」と説明している。 (編集AK)
「人民網日本語版」2019年6月11日