「第5世代移動通信システム(5G)は天気予報に影響を与える」が、5月の「科学のデマ」ランキング入りを果たしたのに続き、「5Gは大量の電磁波を放射し、人体に危害を及ぼす」という噂も、6月の「科学のデマ」にランクインし、「5G」は、デマの中でも「注目ワード」になっている。「科学のデマ」は、北京科技記者編集者協会と北京地区ウェブサイト連合デマ情報打ち消しプラットフォームが、毎月共同で発表している。6月の「科学のデマ」ランキングには、以下のような「噂」が入選した。北京青年報が伝えた。
◆5Gの電磁波放射量は4Gを上回り、人体に大きな危害を及ぼす恐れがある?
真相:通信基地局の数量がより多く、携帯端末による通話効果がより優れているが、携帯端末と基地局との間に発生する電磁波はより少ない。普段使用している家電に比べ、団地内の基地局から放出される電磁波の量はごく微量だ。また、ネットワークの速度がアップする理由は、通信基地局の信号発射効率が高まったことではなく、周波数帯域幅の容量が拡張したことによる。
◆アルツハイマー病に対応したワクチンが近く発表?
真相:アルツハイマー病は、これまでずっと、医学界で根本的治療法がない難病の一つであると見なされてきた。現時点では、症状を緩和できる薬物が数種類あるだけで、アルツハイマー病を治療するための方法どころか、発症を食い止める方法も見つかっていない。
◆心臓に挿入されたステントは胸を殴られたりすると外れてしまう?
真相:心臓にステントを挿入した後しばらくすると、ステントは血管にくっついて一体化する。そのため拳で殴ったり、叩くなどの外部からの震動を受けたり、あるいは身体活動などは、ステントに影響を及ぼすことはあり得ず、さらには、ステントが血管の中を動き回ることなど一切あり得ない。
◆「サウナスーツ」着用で運動すると、ダイエット効果大?
真相:「サウナスーツ」の原理は、密封された「レインコート」と変わらない。これを来て運動すると、体表の温度が上昇し続け、大量の汗をかき、身体は脱水状態に陥り、身体から抜けた水分でたちまち5キロ前後痩せる。だが、身体から出て行ったのは水分であり、脂肪ではない。水分を補給すると体重はたちまち元に戻ることになる。
◆ライチを食べると脳炎を発症?
真相:ライチが直接脳炎の原因となることはあり得ない。だが、食べ過ぎると、深刻な低血糖を招き、脳水腫を誘発する恐れがある。またライチのシーズンが脳炎の多発期と重なることから、誤った診断や判断が行われやすい。
◆断食でがん細胞を餓死させることができる?
真相:腫瘍細胞も人体の一部であるが、これらは無限に増殖することができ、体内の正常な細胞と栄養分を奪い取って増殖する。たとえ飲まず食わずを続けても、体内に蓄えられた栄養分を消耗するだけだ。一般的にいう「飢餓療法(断食療法)」を行っても、腫瘍細胞が飢え死にすることはないが、体力や免疫力の低下を招く可能性がある。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年7月2日