2019年中国北京国際園芸博覧会(北京世園会)は、開幕してもうすぐ2ヶ月を迎える。中国館はこのほど、大規模な展示の入れ替えを実施し、さまざまな絶滅危惧植物や稀少植物が来園客に披露されている。
今回の中国館北京展示ホールの展示入れ替えにより、ちょうど開花シーズンを迎えているハスの花や、開花時期をコントロールされた本来であれば冬の花であるロウバイの花など、116組の新しい植物が展示に仲間入りした。なかでも最も見ごたえがあるのは、2鉢の「宝物」で、ひとつは、トウダイグワ科の多肉植物で「ユーフォルビア」という名前の植物ですでに百年近い年月を経ているという。もう一つは、「金鯱綴化(きんしゃちてっか)」で、「サボテンの王さま」と呼ばれる「金鯱」の突然変異種でこちらもすでに50年以上の年月を経ているという。
北京植物園シニアエンジニアの成雅京氏は、「ユーフォルビアは国内外の各地に生息しているが、今回展示されたのは、これまで確認されているなかで最も大きい。これは、極めて栽培が難しい種類の植物で、地面で栽培している間に傷つく、あるいは病気になると、その状態が一生続く傾向がある。今回展示しているユーフォルビアは、かなり良好な状態が保たれており、非常に貴重な株といえる」と説明した。
このほか、中国館地下1階の稀少植物展示ホールでも、中国の絶滅危惧植物数種の展示入れ替えが行われ、「五小葉カエデ」や「アザレア椿」、「虎顔花」などの希少植物が新たに仲間入りした。
北京植物園の郭エンジニアは、「五小葉カエデは、野外生息数が500株あまりにまで減少し、パンダより少なくなった。アザレア椿の野外生息数は800株あまり。椿は通常、冬から春にかけて開花するが、このアザレア椿は、夏に花が咲く。科学者は、この性質を利用して、夏に開花する椿の品種の育成に努めた。人々はどちらかといえば、植物より動物を好み、植物に関心を寄せる人はそれほど多くない。実は、今回の展示は、我々にとって1つの初志であり、植物の絶滅危惧状況や植物に対する保護の必要性について、人々がより理解を深めてくれることを、切に願っている」とコメントした。
中国館の稀少植物展示のために、国内のさまざまな植物園から、合わせて300種以上の絶滅危惧植物や稀少植物、中国特有の植物が集められた。世園会開催中、植物の成長状態を観ながら、随時、出展植物の補充が行われるという。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年6月28日