迷い道にいる日本のアニメ産業

人民網日本語版 2019年07月03日09:15

日本メディアが6月23日に発表した最新のデータによると、劇場版「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」は興行収入が90億円に達して、日本の映画興行収入ランキングの51位に入ったという。この作品はコナンの劇場版第23弾でもある。ここ数年、日本の名作アニメが最終回を迎えたり、最終回に近づいたりして、日本のアニメ市場は新しい作品が主役になりつつある。筆者の調査でわかるのは、今年上半期に中国で新たに導入した日本の新しいアニメ作品は90本ほどあり、中には「ワンパンマン」第2期や「フルーツバスケット」のような人気作品もあるが、二次元の世界を飛び出して、多くの人に知られるようになる作品はほとんどない。「新テニスの王子様」は、ファン投票でキャラクターの出番を決めるというやり方で評判ががた落ちした悪い例だ。名作が舞台から姿を消した後、日本のアニメ作品は市場での圧倒的な地位をいつまで保っていられるだろうか。「北京商報」が伝えた。

▽断絶の危機

ここ数年の日本の長編名作アニメが最終回を迎える流れは、2008年に漫画「犬夜叉」が完結したことに始まる。同じく1990年代の名作漫画・アニメの「NARUTO-ナルト-」が終わると、日本の名作アニメの終わりについて議論が巻き起こった。「NARUTO」は15年に終了し、その後、微博(ウェイボー)で関連記事の閲覧件数が1億8千万件に達しただけでなく、今でも「NARUTO」のスレッドを立てて話し合う人がいる。

日本のアニメ市場は90年代に登場した作品が1つまた1つと最終回を迎えながら、後に続く作品が出てこないという困った状況に陥りつつある。19年上半期には、中国に上陸した日本のアニメ新作は90本ほどで、18年上半期の118本より20本以上少ない。作品の質をみると、「ワンパンマン」第2期、「ちはやふる」第3期、「フルーツバスケット」新作などの非常に人気の高い作品もあるが、既存の人気作品をベースにした続篇ばかりで、読者や視聴者を引きつける本当の新作は少ない。また日本のアニメ市場では今も数々の作品が生まれているが、二次元の世界から飛び出せる作品はどんどん減り、題材もどんどんニッチ化している。調査したところ、中国で4月に始まった新番組のうち、「ワンパンマン」は二次元ファン以外の少数の人にも受け入れられたが、他の人気作品は二次元界の外ではほとんど知名度がない。

ゲームグラフィックデザイナーの孫晶さんは、「今の新番組は二次元ファンに向けて作られたもので、二次元から飛び出す作品は少なく、よい作品でも伝わる範囲が狭く、日本アニメ市場自体の発展にもマイナスになっている」と話す。

▽革新の曲がり角

新作が断絶の危機を迎えると同時に、すでにある作品も営業販売モデルの革新で曲がり角にさしかかっている。長らく日本の漫画・アニメ市場には安定した運営モデルがあり、人気漫画をアニメ化し、さらに番外編の映画を作り、テレビドラマ化、舞台化、その他の周辺市場にも広げるというモデルがあった。

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| おすすめ写真

ランキング