京アニ放火、アニメ界の「9.11」か 損失は? (3)

人民網日本語版 2019年07月19日13:51
京アニ放火、アニメ界の「9.11」か 損失は?
火災現場の様子(写真著作権は東方ICが所有のため転載禁止)。

京アニはかつて「クレヨンしんちゃん」や「犬夜叉」の制作に関わり、後に「涼宮ハルヒの憂鬱」、「だんご大家族」、「けいおん!」、「中二病でも恋がしたい」をはじめ、一連の心をつかむ作品を独自に制作し、柔らかな色彩の作画を特徴として、「京アニ作品であれば、質が高い」という評価を得てきた。

京アニには6つのスタジオがあり、今回火災が起きたのは2017年に完成した第1スタジオだ。ここは京アニの心臓部とされ、監督、演出、作画監督、原画、中割り、彩色、CG、美術、撮影など、アニメ制作のコア部分のほとんどがこのスタジオで行われていた。

注目されるのは、日本のようなアニメ産業が十分に発達している国では、多くのスタジオがフリーのアニメーターに仕事を外注する中、京アニは自社のスタッフによる手書き制作を主としていたことだ。微博(ウェイボー)のネットユーザーの書き込みによると、京アニは従業員に固定給を支払い、出来高制を取らなかった。八田社長は、アニメ業界に携わる人々が大量の作業をこなしながら、低収入に甘んじている現状を変えることを最終的な目標としてきた。しかし今回の火災で、原画が失われ、機材が失われ、人材も失われたという。

八田社長が事件を受けて述べた「誇張ではなく、うちのスタッフは日本のアニメ業界を支えてきた人材だ。そのうちの誰かが負傷したり、さらには命を失ったりするなど、とても耐えられないことだ」との言葉の端々から、苦しい胸の内が伝わってくる。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年7月19日

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