ケンタッキーフライドチキンはまたもや「親しみやすい」新商品を発売した。15日に明らかにされたところによると、ケンタッキーは夜食事業に力を入れ始めており、上海、成都、重慶、哈爾浜(ハルビン)など10都市で夜食向け新商品をオンライン販売するという。ケンタッキーが夜食事業を手がけても意外ではないが、今回はオンラインでビールや改良を加えたフライドチキンを販売するだけでなく、串商品も打ち出した。ケンタッキーはこのたびの夜食新商品をめぐって独自の供給システムを構築する準備を進めており、ここから夜食デリバリー市場を探求する様子がうかがえる。「北京商報」が伝えた。
▽夜食市場に本格的進出
ケンタッキーの宅配事業「宅急送」の公式アカウントによると、ケンタッキーはこれから焼き鳥串、ビール、骨なしのクリスピーといった夜食商品を打ち出し、今月15日からは上海、成都、重慶、ハルビンなど10都市で販売を開始する。夜食商品を提供する時間は、上海、成都、重慶などは午後9時15分から翌日の午前5時44分まで、福州と厦門(アモイ)は午後10時15分から翌日の午前5時55分までで、20時間近く提供する。
実際、ケンタッキーは夜食市場で早くから事業展開を進めてきた。昨年のFIFAワールドカップ開催期間にはわざわざデリバリープラットフォームに夜食ボードを設置し、夜食セットや単品の夜食商品を打ち出すなどして、夜食時間のセットメニューや商品体系を絶えず充実させてきた。ケンタッキー和平西橋店はセット14種類、単品12種類を販売。一部の店舗は夜食時間にビールなどを販売して市場ニーズに応えた。
▽長期的な展開
ケンタッキーは中国のファストフード市場でこれまでも非常に活発な動きをみせてきたが、今回のように大々的に夜食市場に進出することでさらに勢いに火がついたと言える。
ケンタッキーの今回の動きには新商品によって顧客を獲得する狙いがあるとの見方がある。夜食はコストが高いといった問題があるため、ケンタッキーはこれまでずっと夜食市場の展開を重点とみなしてこなかったが、今回の新商品発売と大々的な動きは夏の夜食消費のピーク期により多くの注目と顧客を集めるためであると同時に、定番商品以外の新商品によってデリバリー夜食市場のニーズや輸送力など各方面を深く探求し、デリバリー夜食市場のデータを収集して、今後の事業展開の準備を進めているのだという。
匿名の業界関係者が明かしたところでは、「ケンタッキーの今回のオンライン夜食商品は長期的な展開であり、ケンタッキーはこのために独自の供給システム構築の準備を進めてきた。今回、上海や重慶など10都市に限って夜食商品を発売するのは、各都市の食品監督管理機関の要求、輸送力、市場ニーズと直接関係があり、今後は他都市の夜食市場で展開を進める可能性が高い」という。また事情通によれば、「ケンタッキーの今回の動きは夜食デリバリーという周辺市場を探求して、ケンタッキーの展開の各シーンをより充実させるためで、今後は午後のお茶の時間帯などでより多くの試みを打ち出す可能性がある」という。
中国烹飪協会の馮恩援副会長は、「ケンタッキーが夜食市場に力を入れることにはモデル効果とカバー効果がある。2019年1-6月には、全国の外食産業営業額は2兆1279億元に達し、成長率は9.4%だった。全体的情勢が順調な状況の中、外食産業は多様化したサービス産業へと前進する必要があり、大衆的外食産業もコミュニティサービスに力を入れる必要があり、夜のグルメは大衆向け外食サービスが多様化した発展を遂げるための正確な『着地点』になっている」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年7月17日