ある電子商取引プラットフォームのデータによると、2019年以降、睡眠補助用品・健康食品の取引数が大幅に増加している。意外なのは、こうした商品を購入する人の62%が20-29歳の「90後(1990年代生まれ)」世代であることだ。
「90後」が睡眠補助商品消費の主力に
1997年生まれの易飛さん(男性)は今年大学4年生。大学入学以来、易さんは毎日深夜2時ごろに寝る生活習慣をほぼ続けてきたが、昨年から急にひどい不眠に悩まされるようになった。易さんはメラトニンや耳栓、アイマスクなど睡眠補助商品を買うようになり、1年足らずで約500元(1元は約15.37円)も使ってしまったという。
1992年生まれの小羽さん(女性)はインターネット業界に従事しており、やはり自分の睡眠のためには「投資」を惜しまない。小羽さんは、「この2年で健康食品や寝具に使ったお金は約4千元。最近も約800元のラテックス枕を買った」と明かした。
睡眠補助商品以外にも、スマホのアプリストアには、催眠音楽アプリや、冥想などのスクールが打ち出している睡眠補助アプリが数十種類もある。業界専門家によると、現在中国国内では睡眠産業が台頭してきており、中国の睡眠産業の市場規模は2030年には1兆元を突破する見通しだという。
全国衛生産業企業管理協会睡眠産業分会の汪光亮会長は、「睡眠産業はここ数年、毎年ほぼ約20%の成長を続けており、市場キャパシティは無限だ」と明かす。
眠れない若者たち、原因はスマホとストレス
全国衛生産業企業管理協会の「中国睡眠指数」では、睡眠の質を「ぐっすり眠れる」、「気持ちよく眠れる」、「なかなか眠れない」、「眠れなくてイライラする」、「不眠」の5つのレベルに分けている。調査によると、「90後」で睡眠について「なかなか眠れない」、「眠れなくてイライラする」、「不眠」と回答した人の合計数が全体に占める割合は68.2%に達していた。また、「90後」の平均就寝時間は午後11時50分で、「寝るのが一番遅い」のも「90後」の睡眠を表す特徴だった。
「90後」が眠れずに寝返りを繰り返す原因は何か?「2019中国睡眠指数報告」によると、54.3%の「90後」は就寝前にスマホを見たりipadなど電子機器を操作したりしており、就寝前にスマホを見る時間は平均で50分だった。夜は「90後」が自分らしさを追求し、ストレスから解放される時間になっている。このほか、家に閉じこもる生活や、運動不足、ナイトライフの豊かさも原因となっていた。
中国医師協会睡眠医学専門委員会主任委員の葉京英氏は、「昼夜のリズムは主に光によって維持されている。昼間に太陽の光を見ず、夜に明るい光の下にいると、リズムが崩れてしまいやすい。ぐっすり寝たければ、規則正しい生活を送り、寝る前には電子機器を操作せず、紙の本を読んだり、リラックスできるような軽い運動をしたりするとよい」とアドバイスしている。(編集AK)
「人民網日本語版」2019年10月16日