中国建築集団有限公司が発表した情報によると、高さ7.2メートルの2階建てのオフィスビルが17日、同社傘下の中建二局広東建設基地で主体構造のプリントを完了した。これは現場3Dプリント技術の建築分野における画期的な進展を意味する。2階建ての建築の現場3Dプリントはこれが世界初のケースとなる。北京青年網が伝えた。
建築3Dプリント技術はパソコンスマート制御を利用し、機械の自動化操作を全面的に採用した。24時間連続のプリントを実現し、1度の建築で成形が可能となる。うち主体部分の印刷にかかる時間はわずか3日で、材料を60%以上節約できる。完成した建物の耐用期間は50年にのぼる。
このモデル建築は中建股フン技術センター(フンはにんべんに分)と中建二局華南公司が共同で打ち出した「建築3Dプリント技術の研究及び応用実証」の展示プロジェクト。プリンターは中建機械公司が設計・製造した中国の技術を搭載した中国製の実験品となっている。また、プリントに必要な材料、設備、技術、制御ソフトのすべてが自主開発。
◆建築物の3Dプリントには何を使うのか?
3Dプリント技術は主に、家屋建設における主体施工段階に用いられる。建築物の3Dプリントの基本原理は一般的なプリンターと同様で、プリンター、インクジェット、インク、紙が必要となる。
建築物の場合、プリンターは建築物の周囲に設置される金属枠組みとなる。
コンクリートを吹き出すマテリアルジェットが、一般的なプリンターのインクジェットだ。マテリアルは幅5センチ・厚さ2.5センチの材料を一層ずつ積み重ね、建築物の壁を作る。
このプリンターが噴出する「インク」は一般的なコンクリートではなく、特製のもの。また伝統的なコンクリート打設と同じく、途切れることなく1度に完了しなければならない。
施工前に地下に基礎の鉄筋を埋め込むが、これが紙に相当する。
この建築物は7.2メートルと高くはないが、なぜそれほど「すごいこと」とされるのだろうか。それはまず現場でのプリント、すなわち主体を直接印刷し成形させるため、組み立てる必要がないからだ。次に輪郭を形作る技術を採用し、中が空洞の壁を作ることで、中に断熱材を入れやすくしているからだ。さらに2階建ての建築物に同技術が使用されるのはこれが初めてで、構造的な難易度がより高くなっているためだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年11月21日