午後10時を過ぎても人通りが絶えないグルメストリート(撮影・李若一)。
北京に夜のとばりが訪れ、街に灯がともる頃、火鍋やBBQ、ザリガニ、生ビールのジョッキが次々とテーブルに「出陣」する場所、それは北京簋街(グルメストリート)の「夜食の世界」だ。牛タン赤ワイン煮にチーズ豆腐、豚角煮入り鉄鍋飯、これは、北京三里屯の日本式深夜食堂のメニュー。酸辣粉、焼き冷麺、臭豆腐が供されるのは、北京西単の夜食食堂だ。北京の人々は、グルメに舌鼓を打ちながら、その日あったことを振り返っているのだ。中国青年報が伝えた。
国内リサーチ企業の艾媒諮詢(iiMedia Research)が発表した「2019-2020年中国ナイトタイムエコノミー産業発展すう勢及び消費行動に関する研究報告」によると、中国のナイトタイムエコノミー規模は、2020年には30兆元(1元は約15.5円)を突破するとしており、このうち飲食業がナイトタイム消費の中で最も目覚ましい業界になると予測している。
〇「夜食の世界」における人との付き合いでストレス解消
午後6時、簋街のナイトライフがまさに幕を開けようとしていた。10月1日、天津で働く王洪臣さんは、大学時代の同級生と遊ぶために北京にやって来た。朝早くから彼らは通恵河で国慶節(建国記念日)閲兵式の観閲飛行の様子を眺めた。夕方になると、国慶節の花火を見に永定門に行き、午後9時にザリガニを食べるため簋街に移動した。王さんは、「平日の昼間はずっと仕事に追われ、友人と交流する機会はほぼ皆無だが、夜には友人と食事をしながらお喋りできる。昼間のストレスはこれで一気に『解消』できる」と話す。
テーブルに届けられるのを待つばかりのザリガニ料理。
工人体育館から近いこともあり、簋街はイベントやコンサートがある日はいつにもまして賑やかになる。胡大本店の曹文利店長は、「ピーク時には、弊店は1日1700~2000人、約400テーブルのお客様を迎える。一晩で、テーブル1つで約8回お客様が入れ替わり、最も多い日で4千キログラム、約8万匹のザリガニ料理を提供している」と紹介した。