米国国際教育研究所(IIE)と米国務省・教育文化局(ECA)は米国東部時間18日、2019年度「オープンドア報告書(Open Doors Report)」を共同で発表した。同報告によると、2018-2019年度に米国の学校に入学した新入留学生の総数は0.9%減少し、2年連続して減少傾向を呈した。人民網が報じた。
統計データによると、2018-2019年度、米国の大学学部で学ぶ留学生の総数は、前年度比2.4%減の43万1930人、大学院で学ぶ留学生は同1.3%減の37万7943人。このほか、IIEと高等教育機関9校が組織して展開した2019年秋季留学生入学状況調査によると、2019-2020年度の新入留学生の総数は、引き続き減少する見通し。
分析によると、米国政府による移民政策の調整など各要因の影響を受け、ここ数年、米国の高等教育が留学生を誘致する力はやや衰えていることが明らかになっている。「オープンドア報告書」によると、米国の大学で学ぶ留学生総数の増加率について、2011年から2016年までの年度別に見ると、2011年度5.7%、2012年度7.2%、2013年度8.1%、2014年度10%、2015年度7.1%だった。一方、2016年から2019年の3年間は、増加率は明らかに縮小し、2016年度3.4%、2017年度1.5%、2018年度0.05%となった。
統計データから米国で学ぶ留学生を国別でみると、中国が10年連続最多だった。2018年―2019年度に米国の大学学部・大学院・学位取得目的ではない実践研修プロジェクトで学んだ留学生の総数は、前年度比1.7%増加した。このうち、米国の大学学部で学ぶ中国人留学生は14万8880人、大学院生は13万3396人にそれぞれ達した。インド、韓国、サウジアラビア、カナダの各国が中国に続き、米国で学ぶ留学生が多い国々だった。
ここ最近、中国人留学生には留学生ビザの申請や米国への留学条件などの面で様々な障害が立ちはだかり、留学生たちは懸念を抱かざるを得ない状況に陥っていた。今年度の「オープンドア報告書」発表に際して実施されたブリーフィングにおいて、IIEのアラン・グッドマン総裁兼CEOは、「米国は常に中国人留学生を歓迎してきた。中国は一つの大国であり、豊かな知的資源を擁している。中国との交流から多くの利益を得ており、今後も引き続きそうありたい」とコメントした。米国務省の職員も、トランプ大統領が以前、「人民日報」記者から質問を受けた際に言明した点を繰り返し、「多くの優秀な人材が中国から米国を訪れ、米国の大学で多くの学生が学んでいる。我々はこの状況が続くことを願っている」とした。
米商務省の統計データによると、2018年、米国経済に対する留学生の寄与額は447億ドル(1ドルは約108.6円)に達し、前年比5.5%増加した。中国人留学生は、2018年だけで、149億ドルを米国経済にもたらした。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年11月19日