元故宮博物院院長で故宮学院の単霽翔院長が24日、浙江省杭州市でイベントに参加し「文化の力:文化遺産資源に命の息を吹き込もう」と題する講演を行い、「公開されている文化財だけが、輝きを放ち、尊厳を得ることができる。今後は、5G故宮を作り上げ、スマホさえあれば故宮に関することを何でも知ることができるように取り組む」と語った。中国新聞網が報じた。
2020年に紫禁城が創建600周年を迎える。「美しく壮大な紫禁城を、完全な形で次の600年に託す」というのが、単院長の一番の願いで、「技術が発展すると同時に、見学者が激増してるのを背景に、5G技術を活用して故宮の文化財の保護に努めるというのが今後の取り組みの方向性だ」と語った。
そして、「5G故宮」を構築する目的として、▽移動可能な文化財と移動不可能な文化財のリアルタイムモニタリングを実現する▽スマホさえあれば誰でも故宮を見学できるようにするの2つを挙げた。
「故宮は面積が非常に広く、初めて来る来場者の多くは人の流れについて見学するだけで、各建築物の位置に対する直感的な概念はない。将来的には、誰でもスマホを通して、展示物の数や位置、コンテンツ、見学者数などをチェックできるほか、一番近くのトイレの場所を調べたり、文化クリエイティブグッズ販売店の位置や在庫数などをチェックしたりできるようにする計画だ」と単院長。
そして、「故宮博物院の院長というのは『ハイリスク』なポストだ。なぜなら、少しのミスが大きな損害をもたらすため、文化財保護に手落ちは絶対に許されないからだ。故宮博物院を保護する最も良い方法は、文化財に命の息を吹き込むことだ。文化財保護というのは、故宮で仕事をしている人だけが取り組むべき仕事ではなく、全ての人に文化財保護をめぐる知る権利、参加する権利、監督する権利、益を得る権利がある。多くの人が文化財や故宮見学が好きになれば、文化財は一番安全な状態になると言える」と語った。
また、「来年、故宮は600歳になる。さらに多くのエリアを一般公開し、さらに多くの展覧会を開催するほか、見学者のニーズの変化や時代の発展に合わせて、資源のデータ化から、データのシーン化へ、シーンネットワーク化からネットワークスマート化への変化を実現し、故宮幾億万もの見学者が見学する博物館にしたい」と今後のビジョンを語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年11月26日