中国初の民間用準メートル級高分解能光学立体測量衛星「高分7号」が撮影した衛星写真の第1弾が10日、正式に公開された。打ち上げられた際に目立たなかったこの「高分解能ファミリー」の新メンバーの神秘的なベールが取り払われた。国家航天局は同日、その22点の準メートル級3D画像を公開した。これには北京首都空港、大興空港、雁栖湖、安徽省涇県,広東省陽春市、山東省菏沢市など各地の正射写真、3Dエピホーラ線写真、デジタル表面模型などが含まれる。人民日報が伝えた。
「高分解能国土測量衛星」を正式名称に持つ高分7号は、今年11月3日に太原衛星発射センターから打ち上げられ、11月5日に軌道上で稼働開始し第1弾の衛星写真を撮影した。高分7号の成功により、中国は1万分の1スケールの宇宙測量の新時代を迎え、世界の先進水準に達した。
分かりやすく言えば、測量衛星である高分7号は主に、中国の1万分の1スケール3D測量図の生産及びより大きいスケールの基礎地理情報の取得と更新に用いられる。中国の従来の衛星の測量精度は5万分の1スケールだったが、高分7号は1万分の1スケールであるため、地上平面測位精度が5メートル、高さ測定精度が1メートル優れている。つまり高分7号の地上の物体に対する平面の測位誤差は5メートル内ということだ。従来の5万分の1スケールの時代であれば測位誤差は20メートル前後だった。
正確な測位のほか、高分7号には地球の「3D大作映画」を撮影できるという驚くべき能力がある。
自然資源部(省)国土衛星リモートセンシング応用センターのチーフエンジニア、高分7号衛星応用システムサブチーフデザイナーの唐新明氏によると、一般的な光学リモートセンシング衛星は平面図しか撮影できないのに対して、高分7号は3D画像を描くことができる。使用開始後、建築物は地図上で単なる四角形ではなく、いずれも3次元の「模型」に変わるという。「高分7号は1台のデュアルラインアレイカメラと1台のレーザー測高器を搭載している。測高精度と測位精度は現在、中国内最高だ。鮮明な地表の写真を撮影できるほか、写真のすべてのピクセルの縦横の座標を明確にできる。そのため高分7号は地上の地形模型、さらには都市の3次元模型を効率的に作成できる」
高分7号は「高分解能ファミリー」の「末っ子」だ。その打ち上げ成功により、中国の高分解能特定プロジェクトの衛星7基が、7連続の打ち上げに成功した。これにより安定的に稼働する高分解能衛星リモートセンシングシステムがほぼ構築された。
専門家によると、「高分解能ファミリー」の衛星には、それぞれの特徴がある。うち1号と2号は光学イメージングリモートセンシング衛星だが、2号はフルカラーとマルチスペクトルの分解能が倍に向上している。3号はファミリー内で唯一のマイクロ波リモートセンシング衛星だ。4号は地球軌道上の光学衛星。5号は高スペクトルカメラのほか、多くの大気環境と成分観測設備を搭載している。6号は1号と似たペイロードの性能を持つ。
高分解能特定プロジェクト宇宙システムの建設に伴い、中国内の輸入衛星リモートセンシングデータの8割近くが高分解能特定プロジェクトのデータによって代替されている。
高分解能特定プロジェクトの実施前、リモートセンシング衛星を応用していたのは国土・林業・測量などの8業界、及び北京などの少数の地域にとどまっていた。高分解能特定プロジェクトは現在、20業界・31地域で広く応用されている。国家ガバナンス体制・ガバナンス能力近代化の重要な情報技術による支えとなっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年12月11日