澳門(マカオ)における「一国二制度」の実施は、すでに20年目に入った。「澳門の祖国復帰後の多大な変化の根本的な原因は、『一国二制度』のもたらした『ボーナス』だ」と、澳門大学の駱偉建教授は語る。
澳門の発展における最大のボトルネックは「小さい」ということだ。2009年、珠海横琴新区が機運に乗じて発足した。横琴山を背にタイパ島を遠望する澳門大学横琴キャンパスは、横琴・澳門協力の最初のプロジェクトであり、建設中は大陸部の法律が適用され、完成後は澳門に管轄が引き渡された。その後の10年で横琴ではインフラ整備が日増しに進み、すでに澳門資本の企業1500社余りが登記している。横琴は澳門の狭小さを補い、「一国二制度」を創造的に豊かなものにした。
2017年8月に澳門は強い台風「HATO」(台風13号)の直撃を受け、暴雨に見舞われ、海水が逆巻いた。特区政府の要請に応じて人民解放軍澳門駐留部隊の将兵千人が澳門市街区に入り、災害救援に協力した。将兵等は焼けつくような日差しを頭から浴び、重い物を持ち上げ肩に担ぎ、全身汚れた水と汗にまみれていた。こうした場景を見て、澳門市民は自発的に将兵達に水や食料を提供した。「私たちはこれによって、母なる祖国の意味を真に理解しました」。澳門のある小学生は、こう記した。
澳門復帰前、総督はポルトガル大統領が任免・授権していた。1997年になってようやく華人1人が澳門政庁内で局級ポストに就いた。復帰後、基本法と全人代の決定に従い、中央政府と澳門特区は民主政治制度の漸進的で前向きな発展を推進。澳門はすでに行政長官選挙を4回、立法会選挙を5回順調に実施した。
2017年の第6回立法会選挙では、過去最多の186人が直接選挙に参加した。有権者登録数は30万7020人で、前回選挙と比べ11.23%増加した。澳門のある学者は「『一国二制度』の成功裏の実践によって、澳門の一般市民の政治参加熱は高まり、『澳門人による澳門統治』が澳門人にとって政治参加の最も強い願いとなった」と指摘する。