米ニューヨーク・タイムズ電子版は10日、中国政府の不十分な新型肺炎対策のために国内外の人々の生活はかき乱されていると批判し、新型肺炎によって中国経済は深刻な打撃を受けるだろうと報じた。米CNBCも10日これに唱和し、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大は深刻であり、中国の国際的イメージは今後日増しに悪化するとした。(文:麗達)
感染拡大から政治的「ボーナス」を得ようと、これを利用した対中非難に全力を尽くしている米国の政治屋達もいる。中国国民が全力で感染拡大を迎え撃ち、人類の健康を守っている際に、こうした奇怪な発言をする了見は計り知れず、守るべき一線というものが全くないと言える。
ウイルスは国境のない、人類共通の敵だ。感染拡大を前に、世界各国は利害の一致する運命共同体であり、自らの身を外において、とやかく口をはさむだけの傍観者を決め込むことのできる国はない。感染拡大を前に、関係国は全力で対策を取る必要があるし、全世界が連携して迎え撃つことも必要だ。対岸の火事と捉え、そのうえ他国の全力の戦いを批判するいかなる行為もウイルスに加担し、人類に敵対するものだ。
新型肺炎の発生以降、中国国民は感染拡大を阻止する全民防衛戦の火ぶたを切った。中国の感染拡大阻止行動は規模の大きさ、スピードの速さ、効率と透明性の高さにおいて世界的に異例なものだ。世界保健機関(WHO)の事務局長のテドロス事務局長は「中国は新型肺炎の感染拡大の中心地で講じた『高強度』の防疫手段によって、感染の世界的拡大を阻止するためのチャンスをもたらした」と指摘した。
感染拡大は鏡でもある。2009年に世界を襲った新型インフルエンザ(A/H1N1)は米国が最初の発生地の1つだった。当時、全世界で約28万4000人が死亡し、WHOは今回同様「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言した。だが当時米国が力強い対策を講じなかったために、インフルエンザは世界各地で猛威を振るった。米国のメディアと政治屋がこの事実に知らぬふりを決め込むのは勝手だが、歴史には記憶があり、人々の心は審判を下すものだ。
どの国も自国で発生した感染症の拡大を厳しく阻止する必要がある。これは自国民に対する責任であり、世界の人々に対する責任であり、人類全体に対する責任だ。米国が10年前の感染症の惨禍から何の教訓も汲み取っていないようなのは理解に苦しむ。現在米国内で発生している季節性インフルエンザはすでに1900万人が感染し、1万人以上が死亡している。国際的な人的往来が頻繁な今日において、米国の対策が今後も不十分だった場合、インフルエンザは世界にも災いを及ぼす。
米オンラインメディアBuzzFeedの科学技術担当記者は先日の記事で、米国人は新型コロナウイルスよりもインフルエンザを注視すべきだと指摘。「2019年新型コロナウイルスは感染性があるが、パニックに陥る必要はない。中国は2019年新型コロナウイルスに感染するリスクが比較的高いが、米国ではそれよりもインフルエンザウイルスへの警戒を高めるべきだ」とした。これは公平的な見解だが、残念なことに米国人の一部はすでに現実に目を閉じ耳をふさいでおり、米国民と人類に対して責任を負うよりも、中国を非難することのほうが彼らにとって「政治的に正しい」らしい。
感染拡大との戦いにおいて、人類にとって唯一の活路は互いに見守り助け合い、共に困難を克服することだ。効果的な国際協力はウイルスに打ち勝つのに必要な保障であり、人類社会の存続と発展をつなぎとめる鍵であることを、歴史の経験は人々に告げている。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年2月11日