新型コロナウイルスの感染が急速に拡大するなか、治癒率を高めることが医学界における科学研究の最重点になっている。喜ばしいことに、17日に開かれた国務院共同対策メカニズム記者会見において、国家衛生健康委員会医政医管局オンブズマンの郭燕紅氏は「新型肺炎の回復者の回復期間中の血漿を使った治療が、重症・重篤症に対する非常に効果的な手段だ。現在は臨床段階にあり、既存の患者の治療で高い治療効果を示している」と説明した。国際在線が伝えた。
ロイター通信の18日付の報道によると、世界保健機関(WHO)の緊急対応責任者であるマイク・ライアン氏は、この研究成果を高く評価した。「新型肺炎の特効薬がない状況下、中国の医師が編み出した血漿治療が明らかな効果を上げた。この進展は人類の未来の感染症との戦いに対して重大な意義を持つ」。
上海公衆衛生臨床センター長の盧洪洲教授は17日、「所属病院内で専門的な診療所を設置し血漿療法を実施しており、血漿提供をしたい回復者を選んでいる。血漿は厳しい検査を受ける。提供者がB型・C型肝炎など別の病気を患っていないことを保証しなければならない」と述べた。
ライアン氏は「免疫グロブリンは、回復者の体に抗体を集中させる効果を持つ。そのため回復者の体内にはウイルス特異性抗体が備わる。血漿による治療というのは実質的には患者の免疫系の抗体を増やし、苦しい時期を乗り越えやすくすることだ」と述べた。
ライアン氏はまた「回復者の回復期間中の血漿による治療効果は顕著だが、タイミングを見計らって、患者の免疫力を最大限に高めなければならない。正しい時期にこの治療法を用い、適切なタイミングで患者の免疫系に重要な推進力を与えなければならない」と指摘した。
ライアン氏はさらに、「血漿療法は世界の感染症との戦いに対して重大な意義を持つ。感染症回復者の血漿は、狂犬病やジフテリアを含むその他の感染症の治療に明らかな効果があることが証明されている。血漿治療は非常に重要な発見で、中国の医師はこの課題の研究に取り組んでいると信じている。これは治療方法を模索する上で非常に効果的な手段で、特にワクチンや特定の抗ウイルス薬がない状況であればなおさらだ」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年2月19日