新型肺炎で業界の枠を超える企業活動 石油会社が野菜とマスク

人民網日本語版 2020年02月18日16:29

自動車工場がマスクを生産し、石油化学企業が野菜を売る。新型肺炎の発生という特殊な時期に、多くの企業が各社の生産における優位性と協同の能力を活用して、業界の枠を「強引に」超えた企業活動を展開している。

ガソリンスタンド340ヶ所で野菜販売

2月15日に中国石油化工集団(中国石化)が明らかにしたところによると、同社の北京支社は目下の感染対策の状況を踏まえ、新たな業務を打ち出した。主業務の石油製品の十分な供給を確保するとともに、ガソリンスタンドのネットワークの豊富さ、供給ルートの迅速さという利点を活かし、「安心野菜販売」業務をスタートして、首都北京の市民に新鮮な野菜を提供するとともに、感染状況の中で人々が接触する機会を少なくしている。

北京市展覧路ガソリンスタンドは同業務を最初にスタートしたスタンドだ。野菜セットは1セット約7キログラムで、3人家族なら3日分の野菜を十分にまかなえる。同スタンドの聶暁東店長は、「お客様から注文が入ると、うちのスタッフが注文情報に基づいて、商品をお客様の車のトランクまで直接配達する。全プロセスに2分ほどしかかからない上、『非接触ショッピング』もできる」と話した。

同集団は現在、スタンド340ヶ所ですでに同業務を展開している。1日あたり約600箱が売れるという。

同集団は野菜を売り出したばかりでなく、マスク生産にも乗り出した。中国国内の化学工業原料の主要メーカーである同集団は、少し前に公式微博(ウェイボー)と傘下のECプラットフォーム・易派客の公式微博を通じて、「弊社にはメルトブロー不織布がありますが、マスク生産設備をお持ちの方はいませんか?」と発信して協力募集の意向を示した。それから3時間も経たないうちに、マスク生産設備11台の購入契約が確定した。3月になれば、同集団のマスク生産設備により北京市内のマスク在庫は1日あたり約100万枚増えることになる。

市場の力が資源の需給を調整分配

新鮮な野菜を売るにしろマスクを生産するにしろ、中国石化のやり方は現在の感染対策に大きく寄与するものだといえる。特殊な時期における業界の枠を超えた企業活動には、市場という要因がかなり多く含まれていることが注目される。表面的にみれば、一部の企業のクロスオーバーは予想外のものだが、その背後には緻密なビジネスの論理がある。

新鮮な野菜の販売で、中国石化には独自のルートという優位性がある。傘下にはスタンド約3万ヶ所を擁し、そのほとんどにコンビニ・易捷便利店が設置されて石油製品以外の商品を売っている。これは生鮮食品をはじめとする小売業務の展開において非常に大きな優位性になる。ここ数年、同集団はこうした石油製品以外の業務が非常に速いペースで増加しており、今や企業利益にとって軽視できない成長源であり、生鮮食品の配達は同集団の業務拡大計画における新規プロジェクトの1つに過ぎない。

マスク生産は同集団の産業チェーンにまったく関係がない業務とはいえない。むしろ中国のマスク原料の主要メーカーとして、同集団には原料面での優位性が自ずから備わっている。新型肺炎の発生という特殊な時期にこうした優位性はさらに顕在化していくとみられ、マスク生産能力を迅速に備える上でさらに有利な条件が加わることになる。

実際、市場とは価値の法則によって自由に調整が行われる場所であり、市場の力によって資源の調整分配が行われる。特に新型肺炎の発生という特殊な時期にあっては、不足する物資を国が統一的に調整分配するのを除けば、市場の資源調整分配能力が十分に発揮され、市場の活力と社会の創造力が活性化されれば、往々にして思いも寄らない優れた効果を上げることができるのだ。(編集KS)

「人民網日本語版」2020年2月18日

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