複数の国で大規模な蝗害、中国で発生するリスクは?

人民網日本語版 2020年02月18日13:53

サバクトビバッタが東アフリカ及び西アジアで最近大量発生し、複数の国が緊急事態宣言を出している。農業農村部(省)のモニタリングと分析によると、サバクトビバッタが中国に危害を及ぼす可能性は低く、国内で大規模な蝗害が発生するリスクは限られている。中央テレビニュースが伝えた。

サバクトビバッタは昨年1月にアフリカのスーダンとエリトリアから紅海を飛び渡った。2月にはイエメン、サウジアラビア、イランに、3月にはパキスタン南西部に、6月にはパキスタン中部・北部に到達した。これらの国に深刻な危害を及ぼし、大群を作った。雨量が豊富で季節風が吹く期間が長いといった影響により、東アフリカ、西アジア、南アジア諸国は現在、史上稀に見る蝗害に見舞われている。ソマリア、パキスタンなどの国は緊急事態宣言を出し、蝗害に対処している。

中国で歴史的に発生したバッタはサバクトビバッタと移動の習性には相似点があるが、異なる種に属する。専門家の分析と推測によると、中国の史料にはサバクトビバッタの危害が記録されていないが、雲南省や西蔵(チベット)自治区ニャラム県にサバクトビバッタが分布している。気温40度前後はサバクトビバッタの幼虫と成虫が移動・活動するための条件で、相対湿度は60-70%に達する必要がある。サバクトビバッタの大発生における最大の拡散エリアは、ミャンマー、ネパール、インドだ。春季発生エリアにおけるバッタの移動方向は、インド―ネパール―ミャンマー―チベット南部及び雲南省西部だ。中国の国境地帯が崑崙山脈とヒマラヤ山脈で隔てられているため、バッタが標高が高く寒い地域を移動することは困難だ。チベット南部と雲南省西部の国境地帯が、ネパールやミャンマーのサバクトビバッタ発生エリアと隣接していることから、少量のバッタが季節風と共に中国に入る可能性はあるが、危害をもたらす可能性は低い。

農業農村部栽培業管理司植物保護・検査処によると、中国のバッタモニタリング・早期警戒・対策の能力が近年向上し続けている。対策技術は世界トップ水準で、バッタ対策の薬と設備も十分にある。国内でバッタが大発生するリスクは低い。(編集YF)

「人民網日本語版」2020年2月18日

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