7日間にわたる海上航行を経て、宇宙ステーション向けに開発された「長征5号B」キャリアロケットがこのほど文昌航天発射場に運搬された。計画によれば、4月中・下旬に次世代有人宇宙船試験船を打ち上げ、その後の有人飛行に向け技術的試験を実施する。同ロケットの打ち上げは今回が初めてであり、宇宙ステーションの軌道上建設任務がこれから幕開けとなる。人民日報が伝えた。
30年近くのたゆまぬ努力と、粘り強く夢を追い続けることにより、中国有人宇宙事業は宇宙ステーション時代の扉を開いた。1999年に初の無人試験宇宙船「神舟1号」が地球・宇宙往復に成功し、2003年に中国人が初めて地球の外に出た。2008年には初めて船外活動を行い、2016年には33日にわたり宇宙に滞在した……これらはいずれも昨日のことのように忘れがたい瞬間であり、空に憧れ宇宙飛行の夢を叶える中国人の壮大で美しい軌跡でもある。
宇宙ステーション時代に向かう扉は、中国の宇宙技術の発展・進歩を記録しており、また中国が宇宙技術の発展を促進する成功の道を歩んでいることを物語っている。宇宙の夢を追う中国はまだ追跡者だ。有人宇宙飛行の「3ステップ」計画は自国の条件に基づき、先を行かず、急ぎ焦ることはない。国情に配慮し、当時の科学技術力を考慮し、未来の発展傾向を前向きに見据える。宇宙ステーションは中国有人宇宙事業「3ステップ」発展戦略の3歩目だ。条件が整えば自然な流れとなる各段階には、夢と知恵、追求と勇気が織りなす数々のエピソードが記録されている。すべての着実な取り組みの裏には、遅れまじとする向上心がある。先見の明に驚嘆するとともに、革新の精神にも驚嘆せざるを得ない。
革新の角度から見ると、宇宙ステーションの建設は未知の探索への想いを示しているだけでなく、より重要なのは今後数十年もしくはさらに長期にわたりテクノロジーの優位に立つことだ。中国有人宇宙事業は30年近くの発展において、宇宙ステーションや宇宙技術そのものの飛躍を実現し、さらには多くの科学・工学技術の進歩と進展を促し、宇宙事業の成果が社会と一般の人々に利益をもたらす無数の美しいシーンをもたらしている。だからこそ、完成し運営が始まる中国宇宙ステーションは、科学的価値の発掘に重心を向ける。これは一国の宇宙実験室になる。これほど独特な環境における宇宙科学技術実験プラットフォームにおいて、全世界の科学者は貴重な宇宙資源を使い科学の発展に取り組み、中国の宇宙ステーションを利用し人類に利益をもたらす機会を得ることになる。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年2月21日