「今では携帯電話やタブレットで本を読むのが当たり前になったが、それでもやはり紙の味わいが好きだし、紙の本を手に持って読むのが好きだ。その方が読書を楽しめる」。浙江省衢州市出身で北京大学の博士課程で学ぶ郭超芸さんはこのように述べた。新華社が伝えた。
郭さんのように考える人は少なくない。しかし今は新型コロナウイルスによる肺炎で家にこもる人が多く、新しい本を手に入れるにはどうしたらよいのだろうか。家にいながら読書をしたいという人々を助けようと、「無境界図書館」が登場した。
浙江図書館の褚樹青館長は、「知識に境界はないし、読書にも境界がない方がいい」との見方を示している。
同図書館は他の図書館に先駆けて「無境界図書館」の閲覧モデルを試行した。褚氏の説明によると、携帯電話の支付宝(アリペイ)や微信(WeChat)などのミニプログラムで関連のアプリケーションを設定でき、読者がオンラインで本を選ぶと、選んだ本が宅配便で自宅まで送られてくる。読み終わった本は、図書館の開館時間に直接持っていって返却することもできるし、宅配便で返却してもよいという。
外部からみると、この「無境界図書館」は利用者の読書意欲と読書行為を後押しし、オフライン空間での読書とオンラインプラットフォームでの読書を結びつけ、利用者により柔軟でフレキシブルな読書体験を提供することができるものだ。
筆者の不完全な統計によれば、太原市図書館や深セン羅湖区図書館など、ますます多くの地方図書館がオンラインで選んだ本を宅配便で届けるサービスを始めている。湖南、湖北、遼寧、甘粛など10省も図書館を支付宝の携帯電話アプリに「引っ越し」させ、利用者が家にいてもオンラインで閲覧したり知識を獲得したりできるようにしている。