美容関係の番組やファッション雑誌で、1日にブラッシングを100回すると、頭皮をきれいにし、髪に絡むゴミをとり除いたりできるほか、頭皮を刺激して血行を促すこともできるため、美しい髪を保ったり、脳の健康を保ったりするのにつながると紹介されているのをよく目にする。
しかし、専門家は確かにブラッシングすることで髪を整えたり、からまりを取り除いたりすることはできるが、この点を強調しすぎると、逆に頭皮を傷めてしまい、フケが多くなるなどの問題が起きかねないと強調している。また、ブラッシングをすると確かに頭皮を刺激できるものの、刺激を受けるのは毛包や皮脂腺で、油脂の分泌が促される。特に、油肌の人はブラッシングをしすぎないよう注意しなければならない。
神経医学専門家の劉新通氏は、「血管は、多く人が考えているより奥にあり、ブラッシングしても刺激できるのは肌の表面だけで、直接的に血行を促進することはできない。血行促進するためには、有酸素運動をして、心拍数を増やし、血液の循環をよくするしかない」と指摘する。
しかし、ブラッシングに何の効果もないわけではない。実際には、ブラッシングをすると確かに末梢神経を刺激することができる。体のどこかが痒かったり、つっぱったりした時に、指でマッサージしたり、櫛で掻いたりすると、神経が感知して、かゆみやつっぱりが収まるのと同じだ。しかし、その効果は一時的なものにすぎない。
脳の健康についても、劉氏は、高血圧や糖尿病、高脂血症、心房細動、喫煙、過度の飲酒、体重過多、肥満、徹夜、座っている時間が長い、運動不足、睡眠障害、不眠、イライラ、憂うつなどが、脳の機能の働きを妨げる要素と指摘する。
飲食に関しても多様化させることをアドバイスしており、あっさりしてバランスの取れた「地中海式ダイエット」を提唱している。肥満を予防することで脳の老化を減速させることができる。食事だけでなく、運動をすることで、血管内皮機能を活発にし、血管の調節因子を増やし、脳の健康を保つのに役立つ。運動をよくする人の脳卒中リスクは、あまり運動をしない人よりも25‐30%低い。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年3月30日