中国有人宇宙事業弁公室によると、同弁公室と中国航天科技集団有限公司は先月29日午後に北京市で、次世代有人宇宙船試験船帰還モジュールのハッチを開くセレモニーを行った。開発部門及び搭載部門と共に、搭載された物品の取り出しを見守った。人民網が伝えた。
セレモニーの現場で、有人宇宙事業の周建平チーフデザイナー、楊利偉副チーフデザイナー、中国有人宇宙事業弁公室の■(赤へんにおおざと)淳主任、航天科技集団有限公司の楊保華副社長などが駐中国パキスタン大使に搭載されていたパキスタン国旗を、駐中国アルゼンチン公司に搭載されていたアルゼンチン国旗を引き渡した。そして中国科学院空間応用プロジェクト・技術センターにセラミック製3Dプリンター装置を、航天育種産業イノベーション連盟に搭載されていた農作物、生薬などの種子を引き渡した。さらに雲南省、寧夏回族自治区、内蒙古(内モンゴル)自治区に搭載されていた特色作物の種子を引き渡した。現場ではまた、他にもタッチ制御電子システム試験装置、キューブサット試験実行装置、石油の増進回収を行う微生物、青少年科学普及試験物品なども引き渡された。
次世代有人宇宙船試験船帰還モジュールは人と物をのせる2つの機能を兼ね備える。中国空間技術研究院第五研究院の技術者によると、今回の帰還モジュールのハッチ右側にはキャビネットが取り付けられており、一部の貨物積載設計技術を検証できる。ハッチ左側には食事エリアと衛生エリアがあり、一部の有人設計技術を検証できる。今回搭載された貨物は1000種類近くにのぼり、過去最多の種類で最も重かった。帰還モジュール内の構造や材料は、宇宙飛行士の長期的な宇宙生活に適応するため設計・採用されたものだ。ハッチを開いた後、開発者はさらに関連エリアの検査・検証を行い、今後の設計改良の参考を提供する。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年6月1日