江西省の◆陽湖(◆は番へんにおおざと)沿岸の水害防止対策の現場で、平均年齢50歳以上、もともとは広場ダンス仲間だった女性たちが臨時で水害対策ボランティアチームを組み、多くのネットユーザーから注目されている。
「危険な状況が発生したその日には駆けつけた」と話すのは余風英さん。余さんの夫である江粒発さんは村の文化宣伝員で、ダムが危険な状態になった後、すぐにそれを村に知らせ、手伝ってくれる人を募ったところ、多くの人が自発的に駆けつけた。
村委員会の横にある文化センターで毎日広場ダンスを踊っているという余さんは、「今は洪水が家のすぐそこまで迫っているのに、とてもダンスをする気持ちにはなれない。将兵たちがこんなに大変な作業をしているのを見て、私たちは本当に心が痛んだ」と話す。臨時の水害対策ボランティアチームとして働く自分たちについて話す時、余さんはとても誇らしげだ。
「私たちは広場ダンスのダンス仲間で、全部で16人。来られる人はみんなボランティアをしに来た。そのうち一番の高齢者は70歳、一番若い人は49歳」と余さんは言う。
以前パフォーマンスを披露した際の動画
「若い人は外で働いているので、私たちができる限りのことを」
村ではほとんどの若者が外に出て働いており、別のことで忙しい。家事や子供と高齢者の世話はこうした年配女性たちの仕事だ。今回の水害の村への影響について余さんは、「自宅は比較的高いところにあるので大丈夫だったが、ダンス仲間の中には家が浸水した人もいる」と話す。また、「体が不自由なある高齢男性の家にはイネがたくさん蓄えてあったが、私たち何人かで袋に詰めて上の階まで運んだ」という。
女性である余さんたちには砂袋を担ぎ上げることはできないが、その代わり砂袋に砂を詰めた。土手の修理はできないが、その代わりパトロールに協力した。救助隊が大変な作業で暑気あたりにならないか心配し、「おばちゃんボランティア」たちは暑気払いにいい緑豆のスープを作った。天候が優れず、雨や風が続けば、救助隊のために、赤砂糖をお湯で溶いて体を暖める紅糖水を作って提供した。
「あたりまえの事をしただけ」
「おばちゃんボランティアチーム」がネットで人気になると、多くのネットユーザーが彼女らの行為を称賛した。しかし余さんは、「別にたいしたことではなくて、あたりまえの事をしただけ」と話す。余さんは、これほど多くの人から注目され、さらには物資を寄付してくれる人までいるとは思いもよらなかったという。「即席麺やミネラルウォーター、パン、おやつなどのほか、自分の家のスイカまで寄付してくれた人もいる」と余さんは語っている。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年7月15日