中国の科学者、チャノキの起源・進化の研究で重要な進展

人民網日本語版 2020年09月09日10:39

中国農業科学院茶葉研究所と中国農業科学院深セン農業ゲノム研究所が担当する研究はこのほど、チャノキ群体の体系的な発生関係を明らかにし、チャノキ栽培の進化の歴史を描き出した。研究成果はチャノキのゲノム学、育種、遺伝、進化の研究に豊富な素材を提供している。新華網が伝えた。

茶は世界的な飲み物だ。チャノキの起源は中国で、中国で広く分布しており、生殖質の資源が豊富だ。紅茶、緑茶、烏龍茶、黄茶、黒茶、白茶の6種類にはそれぞれの特色があるが、チャノキの進化についてはあまり研究されてこなかった。

研究者はまず、中国で有名な優良チャノキ品種「龍井43」を材料とし、そのゲノムが高度に接合し、反復配列の割合が高いといった難題を克服し、「龍井43」の染色体レベルのゲノム組み立てを完了した。研究者はこれを踏まえた上で、「龍井43」の発芽が早く、生産量が多く、抵抗力が強いといった優れた経済的性状を決める遺伝子の「暗号」を発見した。

中国農業科学院茶葉研究所の楊亜軍研究員によると、今年はちょうど全国の緑茶主要生産エリアで栽培面積がトップクラスの「龍井43」の育成60周年に当たる。この研究成果は「龍井43」の高品質や抵抗力が強いといった特徴の分子的本質を説明しており、重要な記念的意義があるという。

研究者は「龍井43」の組み立てを行った高品質ゲノムに基づき、世界の異なる国・地域の代表的なチャノキ材料139点のゲノム変異分析を行った。チャノキ群体の体系的な発生関係を明らかにし、チャノキ栽培の進化の歴史を描き出した。

この研究によると、チャノキの野生の近縁種は栽培されている葉のサイズが小・中の品種(植物学的な分類では、その多くが茶の変種に属する)と大の品種(植物学的な分類では、その多くがアッサム茶の変種に属する)の祖先で、栽培化において2者の選択方向に差がある。中国の葉のサイズが小・中のチャノキのテルペン類代謝遺伝子は、芽と葉における発現量が多い。これはその風味の特徴がより顕著で、より豊富であることを意味する。

国際的に有名な学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」は7日、この研究成果をオンラインで公開した。研究に参加した機関には、中国科学院昆明動物研究所、雲南省農業科学院茶葉研究所なども含まれている。(編集YF)

「人民網日本語版」2020年9月9日

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| おすすめ写真

ランキング