中国は北京時間26日午後11時19分、西昌衛星発射センターで「長征2号丙」キャリアロケットを使い、衛星「遥感30号07組」3基と「天啓衛星ネットワーク06星」1基の計4基を同時に打ち上げ、予定の軌道に送り込んだ。打ち上げは無事に成功した。中国新聞網が伝えた。
同ロケットは中国航天科技集団有限公司所属の中国キャリアロケット技術研究院が開発。同ロケットは液体燃料ロケットで、1982年に初めて打ち上げられた。複数回の改良を経て、中国で就役期間が最も長いキャリアロケットになっている。またその高い成功率により、「金メダルロケット」の称号を獲得した。
同ロケットは、中国が宇宙輸送分野の新技術を検証するための、信頼性の高いプラットフォームの一つでもある。同ロケットは昨年7月26日の1度の打ち上げで、カウリング・落下傘と1段目・グリッドフィン分離体落下エリアの安全制御技術試験を同時に展開した。これにより、中国は世界で2番目に同技術の検証に成功した国になり、今後のキャリアロケット落下エリア制御、さらには再利用に向け基礎を固めた。
同ロケットのカウリングは今回の任務でも、落下エリア安全制御システムを搭載した。その主な電子設備は昨年7月26日の飛行試験で回収されたカウリング落下エリア安全制御システムだ。これは、中国の宇宙輸送における史上初の「システム級」再利用される精密電子設備となった。
このほか、中国の「スマートロケット」関連技術も落下エリア安全制御システムを利用し、カウリングの複雑な再突入の過程で初めて飛行検証を行った。「スマートロケット」技術の現在の主な目標は、ロケットの飛行中に重大な故障が発生した後、ロケットの状態に基づき速やかに飛行経路のスマート再計画を行い、任務の挽回に尽力することだ。同技術の応用は今後、打ち上げ成功率をさらに高める。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年10月28日